送配電会社は、発電所で発電された電気を、送電線を通じて消費地近くの変電所に送り、さらに変電所から配電線を通じて工場やご家庭へと届けています。電力流通部門は、電力系統を構成する送電線、変電所、通信線などの「電力設備の整備・保守業務」と「電力系統の運用業務」を担当しています。電力設備の整備・保守業務は、将来の需要動向を想定して、需要に応じた電力設備の建設・更新工事を行う業務です。さらに安定して電気を届けるためには、電力設備の保守メンテナンス業務も重要です。現在、業務の効率化と高度化を目指して、ドローンの活用や最新の劣化診断技術、情報通信技術(ICT)の導入に取り組んでいます。
電力系統の運用業務は、刻々と変化する電力需要と需給のバランスを調整し、突然の自然災害などでも停電が起きないよう24時間365日常に電力系統全体を監視、制御する重要な業務です。また、電力系統には発電会社や電気を使用する工場など様々な事業者が接続しているため、効率的な運用には複数の関係者と調整する能力が求められます。
このように、電力流通部門は、電気・電子、機械、通信に留まらない様々な知識と能力で電気が届いて当たり前と感じる現在の社会を支えています。