北陸で地域を想い、次を創る
その先端のプロジェクト



中地域交流ループ
プロジェクト&
N-1電制・ノンファーム型
接続プロジェクト
カーボンニュートラルの実現へ
電力系統をつくりあげていく

中部・北陸・関西をつなぐ
交流ループネットワーク形成へ
中地域交流ループプロジェクトとは、中部・北陸・関西を結ぶ地域間連系線のネットワーク形態を交流ループに刷新する国内では前例のないプロジェクトです。現在、中部・北陸間を結ぶ地域間連系線は、直流連系(南福光BTB)で接続されています。南福光BTBが設置された1990年代当時、交流ループ化には想定潮流の困難さや系統事故の広域波及など、技術的課題が数多くありました。
現在では運用容量の拡大や供給信頼度の向上、そして安価な再生可能エネルギー電源の取引拡大へと歩みが進んでいます。これは北陸地域にとどまらず、日本全体のエネルギー効率向上と環境負荷低減に寄与する重要な取り組みです。中地域3社が緊密に連携し、合理的な設備形成を構想・実現することで、系統利用者の託送料金低減と電力供給の安定性向上につなげ、持続可能なエネルギー社会の構築を目指しています。


中地域交流ループの実現が
北陸と日本の未来を変えていくと信じて
電力業界は今、大きな転換期を迎えています。2050年カーボンニュートラルの実現に向けた再生可能エネルギーの導入拡大、少子高齢化による電力需要構造の変化、そしてデータセンターなどの局地的電力需要増加への対応。これらの課題に直面する中、私たちは、電力設備の維持・運用の最適化を追求しています。
中地域交流ループプロジェクトは、地域の枠を超えた画期的な取り組みです。既存の系統構成にとらわれず、広域的な視点で設備形成の最適化を構想することで、より効率的で柔軟な電力供給体制の構築を目指しています。
また、このプロジェクトの実現には多くのステークホルダーの理解と協力が不可欠です。電力広域的運営推進機関や資源エネルギー庁、さらには中地域以外の一般送配電事業者に対して、このプロジェクトの意義とメリットを丁寧に説明し、理解を得ることが重要です。個別の利益ではなく全体の最適化を追求し、北陸地域はもとより、日本全体のエネルギー効率向上と環境負荷低減に貢献する姿勢を明確にしていく必要を実感しています。
私は、この取り組みが当社の使命である「安全、安価かつ安定な電気を絶えずお届けする」との理念を、新しい時代に即した形で実現する挑戦だと考えています。この中地域交流ループの実現が、日本のエネルギーの未来を変えていくと信じています。そして、この信念のもと、業界の最新動向や新技術に関する情報収集を怠らず、常に高い視座と広い視野を持って、プロジェクトの推進に全力を尽くしていきたいと考えています。

安定性の高いネットワークを形成し、
再エネ導入へ
N-1電制とノンファーム型接続は、再生可能エネルギーの導入を加速させる革新的なプロジェクトです。N-1電制導入以前、送電線は故障時を見越して最大送電容量の50%しか活用できませんでした。それに対し、事故時に自動的に発電機を停止させる機能を持つN-1電制の導入により送電容量を100%まで活用できるようになりました。
さらに、ノンファーム型接続では、電力需要や気象条件によって系統の空き容量に余裕がある場合に柔軟な電力活用を可能にしています。これらの取り組みにより、既存の系統設備を最大限に利用しつつ、新たな系統増強のための多額の費用と時間の削減を実現しています。これらの新たな取り組みを通じて安定性の高いネットワークを形成し、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献することを目指しています。


自らの指針が地域経済の礎になる
電力インフラは地域と密接に関わっており、それを担う私たちの判断は地域社会に大きな影響を与えます。重要なのは、従来の設備形成の考え方を踏襲するのではなく、北陸電力送配電の技術者として、多様なエネルギーミックスを誇る地域の特性を十分に理解すること、そして目まぐるしく変化する制度・ルール・技術に柔軟に対応し、その時々の最適解を追求することだと考えています。私が系統計画を担う特別高圧設備をはじめとする電力インフラは規模が大きく、その工事費や維持費は地域のみなさまからいただく電気料金に反映されます。この事実を常に意識し、コスト効率の高い設備形成を追求することが、地域経済を下支えしていくことだと思っています。
近年、データセンターや半導体工場などをはじめ、大規模な新規電力需要への対応が急務となる中、早期供給に向けた取り組みが始動しています。これらの需要に迅速かつ効率的に応えることは、地域の産業発展と経済成長に直結していきます。同時に、多様な需要に応えるためには従来の概念にとらわれない革新的なアプローチも必要だと考えています。新たな工法や資材の採用、工程の最適化など、あらゆる可能性を探ることが重要です。
地域の未来を形作るのは私たちの日々の判断と行動です。そこには技術起点の課題解決にとどまらず、地域社会全体を見据え最善を追求する姿勢が求められていると強く感じています。自らの強みを活かしつつ、新たな知識や技術を積極的に吸収し、変化を先取りしていく。そのように自らの指針を立てて歩んでいくことが、この地域の経済を支える礎となっていくと私は思っています。
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