信頼性向上への取組み

第23回原子力安全信頼会議

 2023年5月25日,当社は原子力安全信頼会議を開催しました。

議事概要

1.日 時 2023年5月25日(木) 9:45~11:55

2.場 所 当社本店ビル

3.出席者 【委員】石田委員長,大場委員,庄田委員,髙松委員,中村委員,
          能木場委員,山口委員        (計7名)
      【当社】松田社長,塩谷副社長,小田常務,福村常務,
          藤田土木建築部長,放生志賀原子力発電所長,
          布谷原子力部長,古谷原子力本部専門部長,
          谷内地域共創部長,中村地域社会部長,
          村杉品質管理・原子力安全推進部長
                            (計11名)


4.議事要旨

(1)北陸電力からの説明

   松田社長の開会あいさつの後,当社から「志賀原子力発電所 新規制基準適合性確認審査(地震津波関係)の状
  況」,「安全文化醸成活動の実施状況」および「臨界事故隠しを風化させない取組」を説明し,質疑応答を交えて
  ご意見を伺いました。

(2)委員からの主な意見

<志賀原子力発電所 新規制基準適合性確認審査(地震津波関係)の状況>

 ・今年3月の志賀原子力発電所の新規制基準適合性審査において,敷地内断層は活断層ではないとする北陸電力の評
  価が原子力規制委員会に認められたことは,北陸電力におけるこれまでの苦労が実ったものと考える。

 ・北陸電力の評価が規制側から認められたのは,鉱物脈法といった高度な技術を取り入れ,評価したことによるが,
  その背景には,技術的な部分だけではなく,例えば組織的な部分も関係していると思う。今回のように良好な結果
  を生んだ技術的な部分以外についてもまとめておくことは,北陸電力だけでなく他電力の今後の組織の在り方にお
  いても意味があると思う。

 ・今回の審査で用いた鉱物脈法については,その評価方法の客観性や信頼性を向上させるために専門家との連携や最
  先端の研究を行っている大学との共同研究に時間がかかったことから,今後は高度な専門的人材を育成していくと
  の説明があったが,現時点で利用可能な技術や知見を使うのが本来の姿だと思う。また,新知見が出るたびに対策
  の追加を繰り返すのではなく,追加の対策がどのくらい有効なのか,それによってリスクがどのくらい減るのかと
  いうことも含めて,規制側と議論しながら審査に当たっていただきたい。

 ・断層の活動性については,断層がいつ動いたのか,鉱物脈がいつ形成されたのかなど,過去に起きた事象を調べる
  ことで評価できたが,今後の地震動や津波の審査では,過去に起きた事象の評価だけでなく,今後起こりうるリス
  クについても議論がなされると考える。そのため,審査を効率的に進めていけるよう,審査における議論のポイン
  トに予見性を持って対応していく必要がある。

 ・今後行われる地震動や津波,プラント関係の審査に当たっては,予見性を持ちつつ,規制側と審査の論点を共有す
  るなど十分なコミュニケーションをとることにより順調に審査が進むと考えられるので,それが地域の方々の安全
  ・安心にも繋がっていくと思う。

<安全文化醸成活動の実施状況>

 ・昔と違い現在は,多くの書類作成や厳しい労務管理があり,コミュニケーションをとる時間が少なくなっている。
  そのような中で,これからの安全文化の担い手ともなる若者たちと直接コミュニケーションをとる時間を確保する
  ためには,書類作成をはじめとして現在行われている業務全般を効率化する必要がある。

 ・コミュニケーションが不足しているとの認識のもと,現在いろいろな対話活動に取組んでいるとのことだが,コミ
  ュニケーションの質を向上させることも大事であるので,自分たちが考えていることが一般にはどう思われている
  のかという視点を身につけられるように,発電所外とのコミュニケーションの機会を作っていただきたい。また,
  上からの一方的な会話ではなく下からの意見を吸い上げ,適切に情報共有されるように,職場の中での心理的安全
  性を確保するなど,発電所内のコミュニケーションを改善していただきたい。

 ・継続的な学習活動として技術伝承データベースを活用するとのことであるが,このデータベースは文字が多く読み
  にくいことから,動画を用いるなど今の時代にあった技術を取り入れ,効率的に学べる環境を作っていくとよい。

 ・安全文化を醸成していく中で一番大事なことは,業績や人事評価よりも安全が最優先されることであり,これを進
  めていくためには,経営トップである社長が明確に宣言するということが大事だと思うので,引き続き実施してい
  ただきたい。

<臨界事故隠しを風化させない取組>

 ・臨界事故から時間が経過した現時点において「臨界事故の風化防止」と「安全文化の定着」という2点を重要課題
  に設定していることは適切であり,「誓いの響き」と称する鰐口(注)を発電所内に設置し,社員の心に響くように
  するということは非常に効果があると思う。
  (注)円板状の金属製の鼓。

 ・臨界事故隠しを風化させないように,アーカイブエリアを作るのはとても重要であるが,他社の良好な取組(事象
  に係る意見交換や感想を記載したメモを貼ることが出来る等)をもっと貪欲に参考にして,伝わるものにしてほし
  い。また,このエリアを単に教育の場とするだけではなく,コミュニケーションツールとしても活用するなど,教
  育以外の取組とのリンクを検討し,相乗効果のある活用の工夫をしていただきたい。

 ・臨界事故隠しを風化させない取組が定着していけば,安全文化醸成に係るアンケートの「懸念を提起する環境」の
  結果が高くなるはずであるが,そうなっていないということは,取組が十分定着していないということになるし,
  「疑問を持つ姿勢」の結果は高いが「継続的な学習」の結果はそれほど高くないということは,疑問を持ったこと
  に対して自ら学んで解決するというところに繋がっていないことになる。なぜそのような結果になっているのか詳
  細に分析し改善することで,取組の実効性が上がっていくことを期待する。

 ・仮に自分が臨界事故発生時の作業に直面した場合,どのような心理になり,どのような対応ができるのかという視
  点も考慮して,隠さない風土づくりの取組を更に進めてほしい。

 ・過去において臨界事故隠しという問題があったことを風化させることなく,二度と起こさないという気持ちを常に
  心に持ちながら新しい歩みを続けていくことが極めて重要だと思う。

<全般>

 ・再稼働には地元理解が必要となってくるので,再稼働に向けた取組状況を地域の方々に対して十分に説明できるよ
  うな社内体制をしっかりと作り,適時・的確に説明をすることで,地域の方々の安全や安心感を高めていただきた
  い。

 ・GX脱炭素電源法案において原子力基本法の改正がなされ,そこでは「安全性向上態勢および防災態勢の充実強化
  」および「立地地域の信頼確保」が事業者の責務とされている。この二つは正に原子力安全信頼会議のテーマその
  ものであることから,今後とも安全性向上および地域の信頼確保に向けた取組を本会議に報告いただき,会議の結
  果を情報発信していただきたい。

 ・カーボンニュートラルの実現に向けては,化石燃料を使わない発電方法に移行していく必要があり,安全を大前提
  とした原子力発電の利用は不可欠であると思う。

 ・安全を最優先に志賀原子力発電所の早期の再稼働を目指し,将来にわたって安価でカーボンニュートラルなエネル
  ギー供給をお願いしたい。

5.社長総括コメント
  先般,志賀原子力発電所の敷地内断層に関して活動性がないとする当社の評価が認められたが,今後の審査では何
 が論点となるかを想定しながら引き続き丁寧かつ詳細な説明に心掛け,審査が効率的に進むよう努めていくとともに,
 地域の皆さまに対して再稼動に向けた取組状況について適時・的確に説明することで信頼関係をより深め,ご理解を
 得ながら1日も早い再稼働に向けてしっかり取組んでいく。
  また,当社は,志賀1号機の臨界事故およびその事故隠しを起こしたという事実を重く受け止め,その教訓を経営
 の根幹の一つに据えているが,時間の経過とともに当時の状況を直接経験していない社員が増えていることから,臨
 界事故を隠蔽した重い過去を風化させないために,その事実を後世に語り継ぐアーカイブエリアを整備するとともに,
 風化させない決意の象徴として設置した鰐口を「失敗の教訓を語り継ぐ」式典で鳴らし,その響きに合わせて社員の
 心を一つにして安全と公正・誠実を誓うことで皆さまから信頼される会社にしていく。



会議の様子 1

会議の様子 2

会議の様子 3