信頼性向上への取組み

第14回原子力安全信頼会議


 2018年5月30日、当社は原子力安全信頼会議を開催しました。

議事概要

1.日 時 2018年5月30日(水)14:00~16:00

2.場 所 金沢電気ビル 2階ホール

3.出席者 【委員】石田委員長、大場委員、庄田委員、中村委員、能木場委員、
           菱沼委員、山口委員(計7名)
       【当社】金井社長、石黒副社長、園副社長、大西品質管理部長、
           米原原子力本部副本部長、古谷志賀原子力発電所長、
           吉村地域広報部長、木村地域社会部長、小田土木部部長、
           東田地域共生本部部長、北川原子力安全推進部長 (計11名)

4.議事要旨

(1)北陸電力からの説明

  金井社長の開会あいさつ後、当社から「志賀原子力発電所 より高みを目指した安全文化醸成の取り組み」
 および「志賀原子力発電所 新規制基準適合性確認審査(敷地内断層)の状況について」を説明し、質疑応答
 を交えてご意見を伺いました。
  また、大場委員から「安全文化醸成について」との演題で講義いただき、意見交換を行いました。

(2)委員からの主な意見

<志賀原子力発電所 より高みを目指した安全文化醸成の取り組み>
・ 発電所の3つの課題(保守的風土や既存ルールを改善する意識の醸成、良好な組織横断的コミュニケーショ
 ンの醸成、技術伝承と現場技術力の維持・向上)は、現代の若い世代が持っている課題と共通しているように
 思う。若い世代の意識を変えていく取り組みが必要であり、ある程度責任と権限を持たせて、やらせてみるこ
 とも一つの方法である。
 また、横断的なコミュニケーションの醸成では、会社の他部門と交流をする中で、自分達のいる部署が、どうい
 う意味のある仕事をしているのか・他部署とどんな繋がりがあるのか等に気づいてもらう、そのような試みがあ
 っても良い。 保守的風土に関する課題については、真面目すぎてそこから抜けきれないところもあるので、枠
 にとらわれない考え方をする社員を活用し、その考え方に注目してみるのも良いのではないか。
・ルールを改善する意識が不十分であると指摘されていることは問題ではないか。現状に対して疑問を問いかけ
 ることが、更なる改善につながる。例えばwhat if(もし○○なら、どうなるか/どうすればいいか)と、自分で
 色々なケーススタディに取り組んでみることで思考が広がっていく。このような活動を実際にやってみたらどうか。
・ルールを作るときは徹底的に議論を尽くし、一度決めたことはしっかり遵守する、この両方が成立していなけれ
 ばならない。既存のルールについて自分で深く考えないということは、徹底的に議論した上で、納得をしてルー
 ルを守る、という重要な部分が欠落していることになるかもしれない。
・基準や計画を決めたらその段階で満足し、それが当たり前だと思っていると思考が停止してしまうので、常に問
 い直す姿勢を持っていただきたい。

<志賀原子力発電所 新規制基準適合性確認審査(敷地内断層)の状況について>
・本来、安全設計と相まって施設の安全はどうかが重要なポイントである。長期にわたり、断層の活動性の微細な
 データにばかり注目が集まっていることが、非常に残念である。国全体の利益にも反すると思われるため、早く
 この問題に決着をつけて、施設の安全性の評価に取り組むことができるよう、期待する。

<講義:安全文化醸成について>
・日本では「安全確保」という言葉が使われるが、それは例えば穴が開いていない「安全」というような状態があっ
 て、そこをしっかり確保するという発想である。
 一方、米国では「adequate protection(適切な防護)」という言葉が使われるが、これは穴が開いていること(リ
 スク)を認識した上で、どこに穴が開いているのか、穴がどんな特性を持っているのか分かっていれば、仮に穴
 が開いていても、安心して使える、したがって適切な安全確保がなされているという発想である。
 なお、「適切な防護」とは、達成すべき安全の国際的なコンセンサスのようなものであって、そこは必ず達成しな
 ければならない。それを超えるものは、自主的な取り組みとして行うことになる。
・一般住民の立場からすると、確保すべき安全を保つだけでなく、いま把握していないもの(リスク)が無いかどうか
 を常に探し続けているとの説明があれば、安心感がある。
・北陸電力原子力部門行動宣言は2002年に改訂されているが、安全文化の醸成活動に色々と取り組んでいる内容
 が、この中に表現されていないように感じる。現状を踏まえて整理し、機会があれば、見直しをしていただきたい。
・東京電力では、津波に対して、「学ぶ」、「予見する」、「モニタリングする」ことはできたが、組織として最終的に
 「行動する」ことができなかった。この事実を受け、「行動する」ことの難しさと、それができたことで良好な結果
 が得られることを、個人と組織の両面から、具体的事例をもって伝えることが重要だと思う。北陸電力でも、
 リーダーシップの下、積極的に良好事例を取り上げ、「行動」に繋げていただきたい。
・先日、双葉町にお住まいだった方の講演を聴いた。3.11の災害時の避難の話であったが、周りの方は皆、着の身
 着のままで歩いて避難したという、非常に臨場感あふれる内容であった。簡単に「安全」とひと言で言うが、真に命
 に直結したことであると、心に響いた話であった。ぜひ防災対策に、しっかりと取り組んでいただきたい。
・避難の仕方については、福島第一の事故時にあの規模で避難した事が、結果的に最も正しかった事なのか、ある
 いはそれ以外に方法はなかったのかという議論があるところである。緊急時において、迅速に適切な対応をとるこ
 とは難しいが、原子力関係者はそれが大切なことを、いつまでも胸に刻んでおいてもらいたい。
・稼働している原子力発電所で働いた経験のない人達が増えているが、そういう人達に、原子力発電所の設備や潜
 在的な危険、及びそれに付随した安全をしっかりと理解させ、人づくりに十分に取り組んでいただきたい。
・安全活動は、時間が経つにつれて風化してしまう。不審に思ったことを、トラブルにならなかったからいいかと放置
 してしまうと、事故に繋がる。部門間のできる限りの人事交流などにより、「あれっ」と思う事や色々な情報が伝わ
 る文化を構築していただきたい。

<まとめ>
・近年日本では、人手不足は深刻な状況になりつつあり、AIやIoTに進まざるをえない。そうなると、安全の取り
 組み方も今までとは変わってくると考えられるため、将来を見据えながら、今からできる事はやっていただきたい。
・身の周りの電子機器類は短期間に変わっていくなど、AIやIoTの世界は急速に変わってきている。それに比べ
 て、我々の係わっている原子力は長期の話であり、人は替わっていくが、安全への意識とか技術は引き継がれて
 いかなければならない。大事な仕事に取り組んでいるという自覚を持ちながら、息の長い仕事をしっかりとやって
 いただきたい。
                                               以 上
    



会議の様子 1


会議の様子 2


会議の様子 3


講義の様子