信頼性向上への取組み

第12回原子力安全信頼会議

平成29年5月10日,当社は第12回原子力安全信頼会議を開催しました。

議事概要

1.日 時   平成29年5月10日(水)13:00~15:00

2.場 所   金沢電気ビル  (当社石川支店)

3.出席者  【委員】石田委員長,大橋委員,大場委員,中村委員,能木場委員,菱沼委員(計6名)         
       【当社】金井社長,赤丸副社長,西野副社長,石黒常務,園常務,
           髙橋原子力部長,古谷志賀原子力発電所長,吉村地域広報部長,桑原地域社会部長,
           小田土木部部長,東田地域共生本部部長,大西品質管理部長(計12名)

4.議事要旨

(1)北陸電力からの説明

・金井社長の開会あいさつ後,「志賀原子力発電所の状況」,「志賀原子力発電所 新規制基準適合性確
  認審査(敷地内断層)の状況」,「発電設備の不適切事案に対する再発防止対策の取り組み状況」,なら
  びに「志賀原子力発電所の雨水流入事象対策」として「直接要因及び組織要因と再発防止対策,および
  全社水平展開」および「社内情報共有・地域対応の在り方,独立監視組織の設置」について説明し,質疑
 応答を交えご意見を伺いました。

(2)委員からの主な意見

<発電設備の不適切事案に対する再発防止対策の取り組み状況>

・失敗事例に学ぶ取り組みは素晴らしいと思うが,社員が「恥ずかしい」「くだらない」と思ってしまうと,事故・
  トラブル情報が報告されなくなるおそれがある。失敗に関する情報の必要性・重要性を,しっかりと社員に
  理解してもらう必要がある。

・失敗事例の活用は有効だが,そればかりだと元気がなくなってしまう。たとえば事故・トラブルが起きてもお
  かしくない状況があったにもかかわらず,それが起きなかったといったような未然防止を実現した成功事例
  にも 注目してはどうか。また,そのようなことに成功している職場は,モチべーションや緊張感が高いという
  アンケート結果が出ていることが少なくない。安全文化やモチベーションアップの施策を別々に実施するの
  ではなく,うまくリンクさせ,活動としても一体化して取り組むというやり方もあると思う。

・ISOにおいては、安全は「技術的に安全かどうか」ではなく,「許容できないリスクがないこと」と定義されて
 いる。したがって安全の尺度は一定ではなく、その時代や社会の情勢、価値観によって「許容」されるかど
 うかが変化する。よって,安全文化の前提とする安全も,常に変化し,今後も変化していくものと理解すべ
 きである。常に北陸電力として一歩進んだ安全を考えていただきたい。

・安全文化を向上させるために,従来は個人に焦点を当てて安全意識を高める活動を行ってきたが,今後
 はチームなどの集団内における関係性も意識した取り組みが大切になってくるのではないか。

・今年は臨界事故隠ぺいを公表して10年の節目にあたる。技術系の現業部門だけでなく社員全員が万一の
 場合の情報共有化の重要性を認識し,決意を新たにして常に緊張感を持って業務に取り組んでいただき
 たい。

<志賀原子力発電所の雨水流入事象対策
 (直接要因及び組織要因と再発防止対策,および全社水平展開)>

・これまでは,地震・津波のように下から来るものばかりに注意を払っていたが,今回は雨水という上から
 降ってくるものでトラブルとなった。従来想定していたものとは違う現象によって発生したものであり,信頼
 できる安全を確保することの難しさを実感した。

・再発防止対策は,確実に策定・実施されていると思う。今回の事象で,管理区域に水が流入するという脆
 弱性が明らかになったので,今後の事故防止にしっかりと繋げていってほしい。

<志賀原子力発電所の雨水流入事象対策
 (社内情報共有・地域対応の在独立監視組織の設置)>

・情報の公開に関しては,ステークホルダーや社会全体がどう見るのかという視点で判断することが大切だ
 と思う。

・今回,全体の説明をしていただいたが,一般の方々は長々とした説明は聞いてくれない。地域対応を行う
 担当者が,立ち話のような場面で質問された時に,端的に短い言葉でどのように回答するのか。その受け
 答えが信頼向上につながることもあると思うので,そのような場面を想定した説明スキルも磨いていただき
 たい。

・昨年秋に北陸電力に講演を依頼した際に,雨水流入事象についても丁寧に説明いただいた。雨水流入は
 発生してしまったが,細かな点も含めて速やかに改善策に取り組んでいることについて,大勢の参加者に
 理解されたと思う。

・社外に対して説明する際には,正確さも非常に重要だが,より信頼してもらえるという視点で考えることも
 必要。普段の行動から「北陸電力ならば大丈夫」と感じていただけるよう,信頼向上に向けて貪欲に取り組
 んでもらいたい。

・人間はより身近な存在になって親しくなればなるほど信頼感が増すという一面がある。そういう意味でも,
 発電所により多くの人に来ていただき,安全性向上工事等の状況を見ていただく努力も必要。

・新たに設置する監視組織からは,既存組織との差異を明確にするためにも,国内外の最高水準を目指す
 観点に基づいた前向きな助言がなされることを期待する。

・新しく組織を作る場合,既存の組織との連絡・調整が煩雑になったり,作成資料が増えるなどの弊害が発
 生することがある。そうならないよう工夫して,新しい監視組織がうまく機能するよう期待している。

 <全体その他>

・AIやIoTは近年急速に発達しているので,それらの新技術や機器を活用し,発電所のコスト削減に努めて
 いただきたい。

・テロに対しては全世界で関心が持たれている。原子力発電所に不審者が侵入し大騒ぎとなることが絶対
 に無いよう,セキュリティに万全を期してもらいたい。テロ等のリスクに敏感な組織であることが,信頼感の
 向上につながると思う。

・発電所の停止が継続しているが,若手所員の教育・訓練の実施と士気を高く維持するための工夫を引き
 続きお願いしたい。

・北陸電力のこれまでの様々な努力により,基本的には志賀原子力発電所に対する信頼感は損なわれて
 いないと感じているが,再稼働へ向けて厳しい局面も予想されるため,一歩一歩課題を解決していくよう
 引き続き尽力願いたい。

・電力という社会の基幹を支える仕事に就いていることに誇りを持ち,日々の業務に取り組んでいただきた
 い。

                                             以 上

会議の様子 1

会議の様子 2

会議の様子 3

会議の様子 4