1.世界のエネルギー事情
世界のエネルギー消費の推移 ~石炭・石油依存から、エネルギー・ミックスへ~
世界のエネルギー消費は、蒸気機関の発明などによる産業革命により、石炭の消費量が飛躍的に増えました。その後、1950年代に中東などで大油田が見つかり、エネルギーの主役は石炭から石油へと移行しました。そして、1970年代に2度にわたってオイルショックが起こると、単一のエネルギーに依存する危険を避けるため、日本を含む各国は原子力や天然ガスなど石油代替エネルギーの導入を進めました。
<人類とエネルギーのかかわり>

出典:原子力・エネルギー図面集
<世界の一次エネルギー消費の推移>

出典:原子力・エネルギー図面集
新興国・発展途上国で爆発的に増える世界の一次エネルギー消費量
世界の一次エネルギー※の消費は、経済成長とともに増加ししており、2023年には148億トンに達しました。2000年代以降、中国やインド等を中心に、アジア大洋州における消費の伸びが顕著になっています。
一方、先進国(OECD諸国)では伸び率が鈍化しました。経済成長率や人口増加率が開発途上国に比べて低いことに加え、産業構造の変化や省エネの進展等も影響しています。
※「一次エネルギー」とは、自然界に存在し、転換・加工されていないエネルギーです。
石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料や原子力の燃料であるウラン、水力・太陽・地熱・風力などの自然エネルギー等。
<世界の一次エネルギー消費の推移(地域別)>

(注1)1984年以前の「ロシア」には、その他旧ソ連邦諸国を含む。
(注2)1985年以降の「欧州」には、バルト3国(リトアニア・ラトビア・エストニア)を含む。
出典:資源エネルギー庁「エネルギー動向」2025年6月版
原油輸入価格は、中東産油国等の政治情勢・生産調整・市況等の影響で大幅に変動し、不安定です。
<原油輸入価格の推移>

出典:原子力・エネルギー図面集