6.再生可能エネルギーの現状と課題
再生可能エネルギーの発電量は全体の約21.9%
日本の2022年度の発電電力量に占める再生可能エネルギーの比率は21.9%です。主要国と比べると比率は低く、今後はこれらの発電電力量を増加させることが大きなテーマといえます。
<発電電力量に占める再生可能エネルギー比率の比較>

出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー2024年度版」
世界中で再エネの利用拡大に向けた取組みが進んでいます
石油や石炭等の化石燃料と違い、水力や太陽光、風力などの再生可能エネルギーは環境への負荷が少なく、資源が枯渇しないエネルギーであり、化石燃料に代わるエネルギーとして、大きな期待が寄せられています。
太陽光発電の国別の導入状況を見てみると、日本は中国、米国に次いで世界第3位となっています。太陽光発電の導入拡大による波及効果として雇用の創出等が期待されますが、その一方で、FIT制度による買取費用は最終的に賦課金として消費者に転嫁される仕組みとなっていることから、費用負担の増大も懸念されています。
また、世界の風力発電の導入量は、右肩上がりに増加しており、2022年の累積導入量は9.0億kWに達しました。導入量が最多いのは、世界全体の約4割を占める中国で、これに米国、ドイツ、インド、スペインが続き、日本は第25位です。風力発電のうち、洋上風力発電の市場も急速に拡大しており、2022年末時点では、世界全体で6,262万kWが導入されています。
<世界の太陽光発電の導入量の推移(国別)>

出典:資源エネルギー庁「令和5年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2024)
<世界の風力発電の導入量の推移(国別)>

出典:資源エネルギー庁「令和5年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2024)
<日本の太陽光発電・風力発電導入量の推移>
日本における太陽光発電累積導入量

出典:原子力・エネルギー図面集
日本における風力発電導入量

出典:原子力・エネルギー図面集
再生可能エネルギー導入の課題
再生可能エネルギーは発電時にCO2を排出しない国産のエネルギーで、エネルギー自給率の低い日本にとって重要なエネルギー源です。
一方で、火力発電や原子力発電と同じ電力量を得ようとすると広大な土地が必要であったり、天候に左右され発電が不安定であるなどさまざまな課題があります。
今後、再生可能エネルギーの導入を増やしていくためには、発電コストや出力の不安定性などの課題に対応する必要があります。
<太陽光・風力発電の出力変動>

出典:原子力・エネルギー図面集