3.増大するCO2排出量
地球温暖化の原因となるCO2濃度・排出量が急増
石油や石炭などの化石燃料は、地球温暖化の原因の一つとなるCO2を出します。産業革命以降、世界各国は膨大な化石燃料を燃やしてきたため、大気中のCO2濃度は増え続けています。
2024年の世界平均濃度は約424 ppmで、工業化(1750年)以前の平均的な値とされる約278ppmと比べて、52%増加しています。
※ ppmは大気中の分子100万個中にある対象物質の個数を表す単位です。
<大気中のCO2濃度の変化>

出典:気象庁ホームページ(温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)資料)
中国とアメリカで世界の4割以上のCO2を排出
世界のCO2排出量は1971年の139億トンから2022年には338億トンへと、50年前と比べ2倍以上に増加しています。国別では、中国が106億トンと最も多く、アメリカが49億トンで二番目に多い排出国となっています。
また、北米やヨーロッパ諸国の排出量は大きく増加していませんが、アジア地域(特に中国やインド)の増加が顕著なことから、
世界全体のCO2排出量増加の主な要因はアジア地域の増加にあることが分かります。
<世界のCO2排出量の推移>

出典:電気事業連合会「エネルギーと環境」
日本の電力業界におけるCO2排出量の状況
震災以降、原子力発電の長期停止等の影響により、CO2排出量は増加していましたが、電力会社等は、原子力発電の再稼働や再生可能エネルギーの活用、火力発電の効率向上等に取り組んだ結果、CO2排出量は低下傾向を維持しています。
<販売電力量、CO2排出量と排出係数の推移>

出典:電気事業連合会「エネルギーと環境」
発電時にCO2を排出しない発電方法
電源別のCO2排出量は、石炭火力がもっとも多く、石油火力、LNG火力、LNGコンバインドと続きます。
一方、太陽光や風力などの自然エネルギーや原子力は、発電時にCO2を排出しない発電方法です。地球温暖化問題に対応するためにも、様々な発電方式をバランスよく組み合わせていくことが重要です。
<電源別のライフサイクルCO2排出量>

出典:原子力・エネルギー図面集