
「2024年度決算」松田社長会見要旨
2025年4月28日
北陸電力株式会社
本日は、大変お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
日頃、皆さまには、当社の事業運営に格別のご理解を賜り、厚くお礼申しあげます。
それでは、はじめに「2024年度決算」について、お手元の資料に基づき順次説明させていただきます。 資料「2024年度決算について」をご覧ください。
はじめにスライド1の「販売電力量」ですが、小売販売電力量は、242億4千万kWhと、前年同期に比べプラス0.1%ですが3千万kWhの増加とほぼ前年並みとなりました。
これは、第3四半期までは若干の前年割れではありましたが、第4四半期、特に2月のいわゆる最強・最長寒波と相次いだことから、気温が前年度に比べ大幅に低下し、暖房需要が増加したことによるものです。卸販売電力量は、76億7千万kWhと、前年度に比べ38億8千万kWhの大幅な増加となりました。これは、卸電力取引所等への販売が増加したことによるものです。この結果、総販売電力量は、319億2千万kWhと前年比プラス13.9%の39億kWhの増加となりました。
次に、スライド2で「連結決算概要」について説明いたします。中段の表をご覧ください。
連結売上高(営業収益)は、8,582億円と、前年度に比べ500億円の増収となりました。これは、主に2024年度からスタートした「容量市場」制度による容量確保契約金収入があったことによるものであり、この容量確保契約金による収入約400億円を除きますと売上高は8,200億円となり、前年とほぼ同水準となっております。なお、容量市場制度は、収入である容量確保契約金と、費用である容量拠出金がほぼ同額で両建てとなりますので、収支上の影響はありません。
連結経常利益は913億円と前年度に比べ165億円の減益となり、2022年度以来、2年ぶりの増収減益決算となりました。
特別利益については、1月の第3四半期決算時にもありましたが、全国の送配電事業者が、資金を積み立てし、能登半島地震のような災害が発生した場合に扶助を行う制度があります。この制度により、北陸電力送配電へ43億円の交付を受けているものであります。
親会社株主に帰属する当期純利益は651億円と83億円の増益となっておりますが、昨年度は、能登半島地震に伴う特別損失451億円を計上しており、その特別な要因を除けば、最終利益も経常利益同様、減益であります。
続きまして、連結経常利益・当期純利益の変動に大きく影響している燃料調整のタイムラグについて説明いたします。スライド3「燃料諸元の価格推移について」をご覧ください。
当社主力の燃料諸元である「石炭」について、昨年度は価格が大幅に低下した局面でありましたが、今年度においては、石炭価格の変動が小さく、時期ズレによる価格差が小さいということが分かります。
スライド4をご覧いただくと、差益の縮まり具合がお分かりになると思います。具体的な数字としては、スライド5の連結経常利益の変動要因にありますように、昨年度のタイムラグ差益は360億円ありましたが、今年度のタイムラグ差益は50億円であり、その差引である310億円程度が前年対比で悪化したということになります。前年対比でのこれ以外の悪化要因としては、出水率低下に伴う水力発受電量の減少により、20億円程度、発電設備に係る修繕費等の設備関連費増加により、60億円程度、それぞれ悪化しております。一方、好転要因として、卸販売の増加による総販売の増で200億円程度、連結子会社における電気事業以外の利益増加により20億円程度、それぞれ好転しております。これらにより、連結経常利益は913億円となりました。
次に、スライド6で「2025年度業績予想」について説明いたします。
まず、総販売電力量についてですが、市場によって変動する卸販売を平年並みで織り込み、300億kWhと見込んでおります。連結売上高については、総販売電力や燃調収入の減少などを踏まえ、7,800億円程度と見込んでおります。利益面については、連結経常利益は450億円程度、親会社に帰属する当期純利益は300億円程度と見込んでおります。
次に、スライド7「業績予想(連結経常利益)の変動要因」をご覧ください。
2024から2025年度対比で463億円減益となる要因でありますが、2024実績の燃調タイムラグ差益の反動減により50億円、卸販売の減少など、総販売の減で250億円、再生可能エネルギー交付金の減少見込みなどにより60億円、バイオマス混焼設備や、震災復旧設備の竣工に伴う減価償却費などの設備関連費増加により50億円、風力開発調査等の脱炭素推進費用、およびシステム関連・デジタル機器導入等によるDX推進費用がそれぞれ増加することにより50億円、これらにより、連結経常利益は450億円と見込んでおります。
次に、スライド8で「2024年度期末配当および2025年度配当予想」について説明いたします。
まず、2024年度の期末配当についてですが、前回2月27日にお示ししたとおり、1株あたり12円50銭とし、年間20円といたします。
次に、2025年度の配当予想ですが、2025年度は2024年度から大幅な減益となる見通しではありますが、昨年度年間配当の1株あたり20円と同額とし、中間・期末配当予想ともに1株あたり10円といたします。
2025年度につきましても、経済状況の不透明さや、電気事業を取り巻く環境が厳しさを増しておりますが、不断の経営改革に取り組むとともに、新たな付加価値を創出し企業価値の向上に努め、グループとしての成長を実現してまいります。
2024年度決算の説明は以上になります。
続いて、資料「北陸電力グループ新中期経営計画 【2025年度アクションプラン】」をご覧ください。
2025年度は新中期経営計画5年間の折り返しを迎えますが、「第7次エネルギー基本計画」や「GX2040ビジョン」の策定、電力事業の競争激化など、当社グループを取り巻く経営環境は絶えず変化しています。
このような変化の中、着実に中期計画を達成し将来にわたってエネルギー事業者としての責任を果たすとともに、グループの成長の実現を図るためには、これまでの取組みを強化・加速していく必要があり、このたび、当社グループの取組み状況を踏まえた「2025年度アクションプラン」を策定しました。
経営の3本柱(Ⅰ 安定供給確保と収支改善および財務基盤強化、Ⅱ 地域と一体となった脱炭素化の推進、Ⅲ 持続的成長に向けた新事業領域の拡大)は無論、堅持しつつ、強化ポイントを3つ設定しています。
強化ポイントの1つ目は「災害を踏まえたハード・ソフト両面でのレジリエンス強化、知見の定着・全国への展開および地域振興への貢献」です。地域に根差した責任あるエネルギー事業者として責任を果たし続ける観点から、令和6年能登半島地震や奥能登豪雨での経験を踏まえ、更なる災害対応力の強化を進めるとともに、その知見を全国に展開することが我々の使命だと認識していますし、引き続き全力で被災した地域の復興へ貢献してまいります。
強化ポイントの2つ目は「安定供給と、新規電源を含めた脱炭素化の土台固め」です。安定供給と脱炭素化の両立という社会的な要請に対し、富山新港火力発電所LNG2号機の新規開発等をはじめ、将来にわたって責任を全うするための取組みを着実に進めてまいります。
強化ポイントの3つ目は「更なる利益拡大と自己資本の拡充」です。2024年度末時点の連結自己資本比率が20.5%となり、目標としていた水準を回復しましたが、今後の経済状況や将来にわたって安定供給と脱炭素化の両立という社会的な要請に応え続けるためには、一層の収益拡大を図り、自己資本を充実し財務基盤を強固にしていく必要があります。そのために不断の努力を展開してまいります。
この厳しい変革の時代【Change】の中、これを機会【Chance】と捉え、果敢に挑戦【Challenge】する当社3Cの取組みを引き続き強化し、未来志向で2025年度アクションプランに邁進してまいります。
2025年度アクションプランの概要については以上です。
次に、資料「当社および北陸電力送配電株式会社の役員等人事について」をご覧ください。
本日開催の取締役会において、役員等人事について次のとおり内定しましたのでお知らせいたします。 当社の役員等人事については、6月26日開催の第101回定時株主総会および株主総会終了後の取締役会を経て、正式に決定する予定です。また、北陸電力送配電株式会社の役員人事については、6月27日開催の同社の第6回定時株主総会 および 株主総会終了後の取締役会を経て、正式に決定される予定です。
それでは、資料に基づきご説明いたします。まず、当社の取締役候補者および役付執行役員候補者についてです。会長、社長は再任、代表取締役副社長の新任は、平田亙、取締役常務執行役員の新任は、小田満広、社外取締役の新任は、八木誠一郎氏となります。常務執行役員の新任は塚本明です。
2ページをご覧ください。退任予定者は、代表取締役副社長の塩谷誓勝、社外取締役の川田達男氏、宇野晶子氏です。以上により、株主総会後の取締役の総数は、現状の9名から8名となります。
次に、執行役員の選任および職務委嘱の内定については、記載のとおりでありますが、新任は、布谷雅之、 塚田修司、福村正人の3名です。執行役員の退任予定者は、藤田久之です。なお、4ページに参考として退任予定者の就任先を記載しております。
次に5ページをご覧ください。北陸電力送配電株式会社の役員人事についてです。社長、副社長は再任、以下、記載のとおりです。
役員等人事については以上です。
最後に、参考として、今月13日に開幕した、大阪・関西万博で私たちが電気事業連合会として出展するパビリオン「可能性のタマゴたち」の前面スペースに、当社が開発した「インターロッキングブロック」が敷設されています。これは、地域の課題解決として、太陽光発電に使われた廃棄パネルや、能登地域において地震や豪雨により被災した家屋で使われていた「能登瓦」の廃瓦を、石炭火力発電所から発生する「石炭灰」と混合した製品となっており、廃棄物をリサイクル材として有効活用したものになります。こうした当社の技術が、被災地の復興支援だけではなく、万博におけるPRのお役に立てたことを非常に喜ばしく思っています。なお、万博で敷設されたインターロッキングブロックは、万博終了後に当社施設をはじめ北陸地域の様々な場所で再利用したいと思っています。
また、我々が直接、万博に出展するものではありませんが、震災を乗り越えた復興のシンボル「輪島塗」の大型地球儀は、北陸経済連合会が経団連とともに出展に協力したものになります。
震災からの復旧・復興にあたり、当社グループは、これまでも災害ボランティアをはじめ、震災がれき等の受入・活用、仮設住宅への花苗寄贈など、被災地の支援を続けてまいりました。
2025年度アクションプランの重点施策に「地域振興への貢献」を掲げているとおり、被災地はもとより、北陸地域の更なる発展に貢献していくことに北陸電力グループ「こころをひとつに」して全力で取り組んでまいります。
引き続き、皆さまのご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。
私からの説明は以上になります。
発表資料はこちら(下記URLリンク)から
資料 2024年度決算について
https://www.rikuden.co.jp/press/attach/25042801.pdf
資料 北陸電力グループ新中期経営計画 【2025年度アクションプラン】
https://www.rikuden.co.jp/press/attach/25042802.pdf
資料 当社および北陸電力送配電株式会社の役員等人事について
https://www.rikuden.co.jp/press/attach/25042803.pdf
参考
太陽光パネル廃棄ガラスを活用したインターロッキングブロックの開発および大阪・関西万博におけるパビリオンでの採用について
https://www.rikuden.co.jp/press/attach/23120403.pdf