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高レベル放射性廃棄物の処理・処分

 原子力発電所で使い終わった燃料をリサイクルするために、もう一度使える部分を分離すると「高レベル放射性廃棄物」が残ります。


高レベル放射性廃棄物

 原子力発電所で使い終わった燃料から、再利用できるウランやプルトニウムを回収すると、核分裂生成物を含む放射能レベルの高い廃液が残ります。
 この廃液をガラス原料と高温で融かし合わせ、ステンレス製の容器(キャニスター)の中でゆっくり固め、ガラス固化体にします。
 現在、約18,000トンの使用済燃料が各原子力発電所で保管されています。これをガラス固化体に換算すると、既にリサイクルされた分も合わせ、約25,000本相当となります。
 この廃棄物は、未来にわたって生活環境から安全に隔離しておくよう対策をとります。



高レベル放射性廃棄物の処理・処分


高レベル放射性廃棄物の地層処分


高レベル放射性廃棄物の地層処分


地層処分の選択

 国際機関や世界各国で処分方法が検討されてきました。その中で、深い地層が本来持つ物質を閉じ込めるという性質を利用した「地層処分方法」が、国際的に共通した考え方となっています。

地層処分の選択


諸外国における取組み状況

諸外国における取組み状況


日本での取組み

 日本では、2000年に「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(最終処分法)」が成立し、処分事業を行う「原子力発電環境整備機構(NUMO)」が設立されました。
 2002年から、NUMOは、処分地選定調査の受入れ自治体を公募してきましたが、現在まで調査に着手できておらず、2015年5月、過去の政策の見直しを経て、新たな基本方針が決定されました。その中で、国民や地域の理解と協力を得ていくために、地域の科学的特性を国から提示するとの方針も決まりました。
 2017年7月、経済産業省の審議会での専門家による検討結果を踏まえ、日本の地下環境等の科学的特性に関するデータを整理した「科学的特性マップ」が提示されました。
 科学的特性マップは、それによって処分場所を決定するものではありません。処分場所を選んでいくには、NUMOが処分地選定調査を行い、科学的特性を詳しく調べていく必要があります。
 科学的特性マップは地層処分の実現への長い道のりの一歩であり、今回のマップの提示をきっかけに、国とNUMOは、全国各地できめ細かな対話活動を丁寧に進めていくこととしています。


科学的特性マップ

科学的特性マップ(白黒版)


原子力発電環境整備機構(NUMO)


科学的特性マップ特設サイト