原子力発電・放射線の概要

使用済燃料の貯蔵対策

電気事業者(電力9社及び日本原子力発電)の取り組み

使用済燃料対策の強化

使用済燃料対策に関するアクションプラン(骨子)

 使用済燃料は、再処理までは安全に貯蔵する必要があることから、使用済燃料貯蔵能力の拡大、選択肢の拡充が必要です。
 2015 年10月、国のアクションプラン(右記)において、原子力発電所の敷地内外を問わず新たな地点の可能性の幅広い検討を開始し、中間貯蔵施設や乾式貯蔵施設などの建設・活用の促進に向け、電気事業者の積極的な取り組み、事業者間の共同・連携による事業推進の検討の必要性が示されました。
 これを受けて、電力9社と日本原子力発電で構成する「使用済燃料対策推進連絡協議会」を電気事業連合会に設置し、使用済燃料貯蔵能力拡大に向けて、事業者全体で〈共同での研究開発〉〈理解活動の強化〉〈中間貯蔵施設などの建設・活用の促進〉に向けた検討を実施しています。



使用済燃料の貯蔵方法

使用済燃料の主な貯蔵方法としては、湿式貯蔵と乾式貯蔵の2 種類があります。

  • 湿式貯蔵は使用済燃料プールを使って貯蔵する方法です。原子炉から取り出された使用済燃料は発熱量と放射線量が高いため、再処理工場に搬出されるまで、使用済燃料プールで水を使って冷却します。そして、水やコンクリートによって放射線を遮へいし、安全に貯蔵管理されます。
  • 乾式貯蔵は十分に使用済燃料プールで冷却された使用済燃料を、キャスクという容器を使って貯蔵する方法です。キャスクは冷却に水や電気を使わず、空気の自然対流(換気)で冷却することができます。特にキャスクは維持管理の容易さ、施設設置場所の柔軟性、輸送の利便性などにすぐれています。

湿式貯蔵(使用済燃料プール)、乾式貯蔵(キャスク)



貯蔵能力拡大の具体例


【リラッキング(使用済燃料プールの貯蔵能力の拡大)】

リラッキングの例

 リラッキングとは使用済燃料を収納するラック(収納棚)をステンレス鋼製から中性子吸収材であるホウ素を添加したステンレス鋼製に変更し、使用済燃料プールの大きさを変えることなく、ラックの間隔を狭めることで、使用済燃料の貯蔵能力を増やすことです。
 また、除熱や放射線の遮へいは、プールの水で変わりなく行えることを確認しています。なお、福島第一原子力発電所の事故を踏まえた安全性向上対策の一環として、使用済燃料プールへの代替注水設備を追加するなど、安全性の向上を図っています。


【乾式貯蔵施設の設置】

 原子力発電所の敷地内外に、使用済燃料を収納するキャスクを保管するための建屋を設置することで、使用済燃料の貯蔵能力の拡大を図ります。
 キャスクは放射性物質の閉じ込め、放射線の遮へい、臨界防止、除熱の機能を備えており、乾式貯蔵施設で安全に貯蔵、管理します。


日本原子力発電 東海第二発電所の例、リサイクル燃料備蓄センター(中間貯蔵施設)の例