プレスリリース・記者会見

「2025年度決算」松田社長会見要旨

2026年4月28日
北陸電力株式会社


 本日は、大変お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。日頃、皆さまには、当社の事業運営に格別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげます。

 2025年度決算説明の前に、まずは、中東情勢緊迫化にかかる当社の状況についてご説明させていただきます。
 皆さまご承知のとおり、日本では化石燃料調達の多くを輸入に頼っており、石油を中心に中東依存度は高く、原油においては約94%、LNGにおいては約11%を占めております。
 燃料価格については、中東情勢が緊迫化して以降、高騰しており、特に原油価格は3月に過去最高値を記録しました。4月に入り、一旦低下したものの、現在も高い水準で推移しております。LNG、石炭についても同様であり、燃料価格全般の高騰に伴い卸電力取引価格も上昇しております。
 今般の中東情勢緊迫化により、石油の調達が世界的に困難になっておりますが、当社電源構成のうち、石油火力の占める割合は1%程度に過ぎず、当社では相応の備蓄も確保しております。
 また、電源構成の4割を占める石炭は、豪州・インドネシア等から、LNGについては、マレーシアから調達しており、ホルムズ海峡封鎖による制約は今のところ出ていません。つまり、燃料の確保という観点からは、現下の中東情勢が当社の電力の安定供給に与える影響は極めて限定的であり、今夏においても必要な供給力は確保できる見通しです。
 一方、高騰している燃料価格は燃料費調整制度によって電気料金に反映されるため、足元の燃料価格や為替レートなどの動向を踏まえると夏場以降にお客さまの電気料金に影響が生じることが見込まれます。
 現在、全国的に、一部石油関連製品の調達に影響が出てきているようですが、今後、中東情勢の影響が長期化すれば、助燃用のA重油や軽油の調達あるいは、様々な製品の価格上昇が懸念されます。更に、それが景気に対してどう影響するか、そして電力の需要にどう影響するかなど、状況を注視していく必要があると考えております。
 このような情勢を踏まえ、去る3月に、私をトップとする「2026需給・収支対策本部」を立ち上げ、あらゆる事態を想定し、緊張感をもって需給・収支両面について、最大限の取組みを続けてまいります。

それでは、2025年度決算について、お手元の資料に基づき順次説明させていただきます。

 はじめにスライド1の「販売電力量」ですが、小売販売電力量は、247億8千万kWhと、前年度に比べ5億3千万kWhの増加となりました。
 これは、電灯において今冬の気温が昨年に比べ高かったことなどにより暖房需要が減少し昨年を下回ったものの、電力において契約電力が増えたことなどにより増加したものです。
 卸販売電力量は、83億6千万kWhと、前年度に比べ6億9千万kWhの増加となっていますが、これは、卸電力取引所への販売が増加したことによるものです。
 この結果、総販売電力量は、331億4千万kWhと前年度に比べ12億2千万kWhの増加となりました。

 次にスライド2で「連結決算概要」について説明いたします。中段の表をご覧ください。
 連結売上高は、7,865億円と、前年度に比べ717億円の減収となりました。
 これは、総販売電力量の増加に伴う収入増があった一方、燃料価格の低下による燃調収入の減少や、容量市場における単価の低下による容量確保金の減少などにより、減収となりました。
 なお、この容量市場とは、発電としてkWを確保することで得られる容量確保金と、小売として負担する容量拠出金がありますが、全体としては両建てとなりますので、収支上の影響はほぼありません。
 連結経常利益は850億円と前年度に比べ63億円の減益となり、減収減益決算となりました。
 特別利益については、前年度決算時にもありましたが、全国の送配電事業者が、資金を積み立てし、能登半島地震や奥能登豪雨のような大きな災害が発生した場合に相互扶助を行う制度です。この制度により、能登半島地震と奥能登豪雨について順次交付を受けておりますが、今年度の交付分が22億円であり、前年度の43億円に比べ21億円減少となったものです。
 特別損失については、3月24日にも公表いたしましたが、福井火力発電所三国1号機を2028年3月31日までに廃止することを決定したことに伴う固定資産に係る減損損失等を特別損失計上したことによるものです。
 これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は544億円と106億円の減益となっております。

 続きまして、連結経常利益・当期純利益の変動に影響している燃料費調整のタイムラグについて説明いたします。
 スライド3「燃料価格と燃料費調整額の期ずれ影響」をご覧ください。
 制度上、燃調の基になる燃料価格は、実際購入して消費する燃料価格に遅れて適用されます。当社主力の燃料諸元である「石炭」や「為替」について、上期は昨年来より低下傾向で推移しましたが、下期では石炭価格の変動が小さく、また、為替の円安進行の影響を受け、燃料価格が上昇傾向で推移しております。上期の低下分として青色の差益+70億円があった一方、足元では赤色の差損Δ30億円が発生し、2025年度全体としては、+40億円程度の差益となっております。
スライド4の連結経常利益の変動要因のタイムラグ差にありますように、昨年度のタイムラグは+50億円に対し、今年度のタイムラグは+40億円、その差引であるΔ10億円程度が対前年度差としてタイムラグで悪化したということになります。
 前年対比でのこれ以外の変動要因としては、プラス要素として小売販売の増加などによる総販売の増で20億円程度、出水率上昇に伴う水力発受電量の増加により、20億円程度の好転、一方、マイナス要素として修繕や除却工事の増加などによる設備関連費等の増加で50億円程度、七尾大田火力2号機の停止による需給影響により40億円程度、悪化しております。
 これらにより、連結経常利益は850億円となりました。

 次に、スライド5で「2026年度業績予想」について説明いたします。
 まず、総販売電力量についてですが、小売・卸販売の減少を織り込み、310億kWhと見込んでおります。
 連結売上高については、7,600億円程度と見込んでおります。
 利益面については、連結経常利益は350億円程度、親会社に帰属する当期純利益は250億円程度と見込んでおります。
 主要諸元については,中東において,引き続き緊迫した状況が続いており,先々の燃料価格動向はいまだ不透明な状況にあるため,中東情勢悪化後の先物価格を参照し,記載のとおりとしております。

 次に、スライド6「業績予想(連結経常利益)の変動要因」をご覧ください。
 2025から2026年度対比で500億円減益となる要因でありますが、総販売電力の減少により70億円程度、水力発電量の減少により40億円程度、火力の定期点検の増加などによる設備関連費等の増加により70億円程度、燃調タイムラグについて、2025年度は差益40億円でありましたが、2026年度は、中東情勢による燃料価格の高騰により差損80億円を見込んでおり、その差額で120億円程度、現在、主変圧器の損傷により停止している七尾大田火力発電所2号機については、復旧時期を2027年の春頃としており、2026年度は通期の停止となります。この影響は代替電源の調達費用の増加などにより200億円程度と見込んでおります。
 これらにより、連結経常利益は350億円と見込んでおります。

 次に、スライド7で「2025年度期末配当および2026年度配当予想」について説明いたします。
 まず、2025年度の期末配当についてですが、前回2月27日にお示ししたとおり、1株あたり15円とし、年間25円といたします。
 次に、2026年度の配当予想ですが、2026年度は2025年度から大幅な減益となる見通しではありますが、昨年度年間配当の1株あたり25円と同額を維持し、中間・期末配当予想ともに1株あたり12円50銭といたします。
 2026年度については、停止が続く七尾大田火力発電所2号機による収支悪化影響が極めて大きく、更にはこれに加えて、中東情勢緊迫化に伴う燃料価格高騰が負担となり、大幅な減益を見込んでおります。

 引き続き厳しい需給状況・経営環境が続くと考えられますが、「2026需給・収支対策本部」の下、電力の安定供給に万全を期してまいるとともに、経営全般にわたる効率化に取り組み、事業領域の拡大を図り、北陸電力グループの成長の実現に全力を尽くしてまいります。

 続いて「北陸電力グループ新中期経営計画 2026年度アクションプラン」について説明いたします。【資料3】をご覧ください。
 概要については,図にまとめております。
 中段の図の左側をご覧ください。2023年度に北陸電力グループ新中期経営計画として,経営の3本柱および財務目標を公表しました。それから3年が経過し,これまで経営効率化や事業領域拡大といった経営の3本柱の取組みを推進した結果,当初目標の自己資本比率20%を前倒しで達成するなど,一定の成果がありました。これを踏まえ,2025年10月には,更なる企業価値の向上を目指す観点から,よりチャレンジングな財務目標へと上方修正しました。
 次に中段の図の右側になりますが,足元の大きな経営環境の変化として,中東情勢の緊迫化や七尾大田火力発電所2号機の運転停止長期化など,電力安定供給と収支に大きな影響を与えうる状況に直面しております。
 下段の図をご覧ください。2026年度アクションプランでは,「中東情勢の緊迫化」,「七尾大田火力発電所2号機の停止長期化」への対応を喫緊の課題として設定しました。これらに対しては,2026年3月に,私をトップとする全社横断の「2026需給・収支対策本部」を立上げ,確実な電力安定供給や燃料安定調達および収支・キャッシュフローへの対応など,機動的に行ってまいります。
 また,新中期経営計画の4年目として,データセンターなど電力需要の拡大への対応、レジリエンス強化、利益の拡大が求められており、経営の3本柱それぞれに対する2026年度の強化ポイントを設定いたしました。
 柱Ⅰに対する強化ポイントは「震災知見の実践的ブラッシュアップと全国との共有および復興支援の継続」です。
 未曾有の災害で得た知見・経験の共有化に加え,今後は北陸エリア全体における連携強化等により実践的な災害対応力の強化を図ります。また,地域に根差したエネルギー事業者として,被災地域の復興を『自分事』として捉えた支援を徹底的に継続していきます。
 柱Ⅱに対する強化ポイントは「長期的視点にたった安定供給と脱炭素化の両立のための基本戦略確立」です。
 富山新港火力発電所LNG2号機建設や再エネ電源開発等は進めておりますが,大きな電源開発には長い期間を要することを念頭に,安定供給・脱炭素・競争力の観点から,将来の基本戦略を策定します。
 柱Ⅲの強化ポイントは「利益最大化に資する一体的な企業集団を目指したグループ経営の推進」です。
 グループ横断的なDXを推進するなど、グループ各社が連携し、ビジネスチャンスの拡大を図る観点から、本年度を「グループ経営元年」と位置づけ、グループ最適を目指した取組みを強化し,事業領域の拡大を図ってまいります。
 引き続き,この厳しい変革【Change】の中,これを機会【Chance】と捉え,果敢に挑戦【Challenge】する3Cの取組みを一層推進し,将来にわたり責任ある事業者として新たな付加価値を創出し,持続的な成長を目指してまいります。
 2026年度アクションプランの概要については以上です。

 続いて、お手元の【資料4】をご覧ください。
 今ほどのアクションプランのご説明でも申し上げましたとおり、当社は2026年度を「グループ経営元年」と位置づけ、グループが一体となった経営の推進に向け、事業拡大や基盤強化を図ってまいります。
 その一環として、ITを活用したグループ経営の基盤整備および事業領域拡大を戦略的に推進すべく、本年7月1日付で「IT戦略本部」を設置することを決定しました。
 図に記載のとおり、当社の情報システム部に加えて、100%子会社である北電情報システムサービスをこの本部に組み込みます。同本部は社長直属の組織とし、常務の塚本が本部長を務めます。また、情報システム部内にグループ全体のDX推進を専門に担う「グループDX推進室」を新設します。
 グループDX推進室では、グループ全体のIT戦略を計画・遂行する司令塔として、生成AIやAIエージェントの活用拡大をはじめとするグループ全体のDX推進、情報システムの共用化など、グループ全体でのIT最適化といった施策を進め、グループ経営基盤のさらなる強化を図ってまいります。
 さらに、グループ会社へのDX施策等の展開に当たっては、グループ会社の北電情報システムサービス、その他の情報通信系グループ会社とも連携し、IT分野における事業領域拡大にも取り組んでまいります。

 続いて、お手元の【資料5】をご覧ください。
 当社は、持続的成長に向けた新事業領域拡大に向け、電気事業の枠を超えた新たな事業分野への挑戦に取り組んでおります。
 当社では、社員から広く新規事業を募集し、提案者自らが社長となり、資本金の一部の出資を行い、新会社の運営を行う社内起業制度、いわゆる社内ベンチャー制度を整備しております。この度、本制度に基づく初の新会社として「北陸電力Visual AI Solutions株式会社」を設立することといたしました。
 新会社では、現在、当社が取り組んでいる画像AI技術を活用したクマなどの害獣検出サービス(Bアラート)および道路損傷検出サービス(Rチェッカー)を提供いたします。
 これらのサービスはいずれも、高性能AIによる極めて高い検出精度が強みであり、現場業務の効率化・高度化に大きく貢献できるものと考えております。
 特に、Bアラートについては、昨今クマによる被害が全国的に急増していることもあり、2021年に富山県と実証実験を開始以降、石川県、福井市など北陸3県の自治体を中心に導入が広がり、現在、北陸外の自治体も含めて21自治体で導入されております。現在、全国で約300台のカメラが設置され、導入自治体からは、初動対応の迅速化に繋がると評価いただくなど、全国的に広がる害獣被害の抑止や自治体の獣害対策の現場業務の効率化・高度化に寄与できるものと考えております。
 また、Rチェッカーについては、2025年3月から福井県で実証導入を開始しております。現在、約20台導入され、福井県からは、道路損傷の把握精度の向上に繋がると評価をいただいております。 今後、全国の自治体に導入を拡大していくことが期待されます。
 当社は、新会社を通じて、地域課題の解決に資する新たなサービスの提供を進めるとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 次に、当社および北陸電力送配電株式会社の役員等人事についてご説明いたします。お手元の【資料6】をご覧ください。
 本日開催の取締役会において、役員等人事について次のとおり内定しましたのでお知らせいたします。当社の役員等人事については、6月25日開催の第102回定時株主総会および株主総会終了後の取締役会を経て、正式に決定する予定です。
 また、北陸電力送配電株式会社の役員人事については、6月26日開催の同社の第7回定時株主総会および株主総会終了後の取締役会を経て、正式に決定される予定です。
 まず、当社の取締役候補者および役付執行役員候補者についてです。
 会長、社長は再任、代表取締役副社長の新任は、小田満広、取締役常務執行役員の新任は、林政義となります。
 常務執行役員の新任は、梶崎晴康、川原雅人です。
 2ページをご覧ください。
 常勤監査役の新任は、光地富子です。
 退任予定者は、代表取締役副社長の平田亙、常務執行役員の村田良昭、辞任予定者は、常勤監査役の広瀬恵一です。
 以上により、株主総会後の取締役の総数は、現状どおり8名となります。
 また、監査役は現状どおり5名となります。
 次に、執行役員の選任および職務委嘱の内定については、記載のとおりでありますが、 新任は、荒木裕幸、竹内要一、高橋季之、吉田進、中村節夫の5名です。
 執行役員の退任予定者は、森野弘樹、田林聖志の2名です。
 なお、4ページには、参考として退任予定者の就任先を記載しております。
 次に5ページをご覧ください。北陸電力送配電株式会社の役員人事についてです。
 社長の新任は、塚﨑勝訓、副社長の新任は、広瀬恵一、監査役の新任は、光地富子です。
 また、退任予定者は、社長の棚田一也、取締役の今村栄夫、辞任予定者は、監査役の広瀬恵一です。
 以上により、株主総会後の取締役の総数は、現状の4名から3名となります。また、監査役は現状どおり2名となります。

 私からの説明は以上になります。


発表資料はこちら(下記URLリンク)から

資料 2025年度決算について

資料 「北陸電力グループ新中期経営計画 2026 年度アクションプラン」の策定

資料 IT戦略本部の設置について

資料 当社初の社内起業制度による新会社設立 ~クマ等の害獣・道路損傷検出AIサービスの提供~
    https://www.rikuden.co.jp/press/attach/26012902.pdf

資料 当社および北陸電力送配電株式会社の役員等人事について
    https://www.rikuden.co.jp/press/attach/26042806.pdf

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