志賀原子力発電所に関するご質問、設備状況

令和6年能登半島地震による志賀原子力発電所への影響について、さまざまなご質問やご意見が寄せられました。 地震後の点検結果を踏まえ、事実関係を整理いたしましたので、ご説明いたします。

設備状況(現場写真)

能登半島地震後の志賀原子力発電所設備写真はこちらからご確認ください。

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皆さまからのご質問

さまざまなご質問について、お答えいたします。

「外部電源の一部を失っている」とのことですが、問題はないのですか。開く +

志賀原子力発電所の2号機主変圧器が使用できないことや、外部電源の供給元である中能登変電所のガス絶縁開閉装置(GIS)に一部損傷があることから、志賀原子力発電所への外部電源5回線のうち2回線(志賀中能登線2回線)が使用できない状態にありますが、1号機、2号機とも3回線(志賀原子力線1号線、志賀原子力線2号線、赤住線)が使用可能です。
さらに、これら3回線が同時に使用できなくなったとしても、非常用の電源として、非常用ディーゼル発電機(1号機:3台、2号機:3台)、大容量電源車(2台)及び高圧電源車(8台[うち1台点検中])を使用できる状態で確保しており、使用済燃料の冷却等の原子力発電所の安全性は維持することができます。

「主電源が喪失している」との報道がありますが、問題はないのですか。開く +

現在は、1号機、2号機ともに運転停止中(外部から受電するのみ)のため、外部電源1回線が必要なところ、3回線(志賀原子力線2回線、赤住線1回線)を確保しており、発電所に必要な電力を十分に受電することができています。
さらに、これら3回線の外部電源を使用できなくなったとしても、非常用ディーゼル発電機(1号機:3台、2号機:3台)、大容量電源車(2台)及び高圧電源車(8台[うち1台点検中])を使用できる状態で確保していますので、使用済燃料の冷却等の原子力発電所の安全性は維持することができます。

(参考)
志賀原子力発電所には、志賀中能登線(500kV)2回線、志賀原子力線(275kV)2回線、赤住線(66kV)1回線の合計5回線の外部電源が接続しています。
発電所運転時には、発電した大量の電気を外部に送電する必要があるため、1号機(定格出力:54万kW)は志賀原子力線、2号機(定格出力:135.8万kW)は志賀中能登線を使用して送電しています。

「火災が発生した」との情報がありますが、事実関係はどうなのですか。開く +

志賀原子力発電所において火災は発生しておりません。
発電所内の変圧器油漏れによる事実関係について、以下のとおりご説明いたします。また、本件につき、皆さまにご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

・地震発生後、2号機の主変圧器の噴霧消火設備が自動起動したことから、運転員が現場確認し、「油のにおい」を「焦げ臭いにおい」として中央制御室に連絡しました。
・当直長は、噴霧消火設備が起動していることもあり、火災の可能性があると判断し、消防及び国に火災発生と報告。その後、「変圧器放圧板の動作音」を「爆発音」と国へ報告しました。
・ 発電所化学消防隊と運転員により改めて現場を確認し、火災の痕跡はないことを確認。あわせて、「焦げ臭いにおいは油のにおいであること」「爆発の痕跡はなく放圧板が動作していること」も確認し、火災ではなかったことを消防及び国へ報告しました。
・ その後、火災がなかった旨を当社から公表しております。
・ 消火設備が自動起動した原因は、火災の発生ではなく、油漏れによる変圧器本体の油面低下を感知したことによるものと推定しております。

「使用済燃料貯蔵プールから放射性物質を含む水が飛散した」とのことですが、問題はないのですか。開く +

1号機、2号機の使用済燃料貯蔵プール水が波打ち現象(スロッシング)により貯蔵プール設置階の床面に飛散しましたが、プールの保有水量に対して微量であり使用済燃料の冷却機能への影響はなく、また発電所外部には漏えいしておりません。
なお、飛散水についてはふき取り済みです。

(参考)飛散量
・1号機(保有水量1,250,000リットル(1,250m3));
 約 95リットル(プール水位低下量 0.8mm相当)、放射能量 約17,100 Bq
・2号機(保有水量2,310,000リットル(2,310m3));
 約326リットル(プール水位低下量 1.3mm相当)、放射能量 約4,600Bq

「使用済燃料貯蔵プールの冷却ポンプが一時停止した」とのことですが、問題はないのですか。開く +

1号機の燃料プール冷却浄化系ポンプが一時的(約40分)に停止しましたが、停止前後でプール水温(29.5℃)に変化はありませんでした。
2号機の燃料プール冷却浄化系ポンプは停止しておりません。
現在、1号機、2号機の使用済燃料貯蔵プールの水位に有意な変化はなく、冷却ポンプも正常に運転しており、プール内の温度は適切に管理されています。
なお、1号機、2号機の使用済燃料は長期間使用されずに保管されているためその発熱量は十分小さく、大変厳しめのプール水温上昇評価を行った場合でも、冷却ポンプが停止してからプール水が100℃となるまで1号機及び2号機でそれぞれ17日間及び29日間かかるという結果ですが、実際の水温上昇はわずかで、100℃に達することはありません。

「志賀原子力発電所周辺地域のモニタリングポストが故障した」との情報がありますが、問題はないのですか。開く +

当社が設置する志賀原子力発電所敷地内のモニタリングポスト7局は、地震発生前後を通じ正常に測定しており、これまでに外部への放射能の影響がないことを確認しています。
なお、自治体が設置している志賀原子力発電所周辺のモニタリングポストについては、地震により、複数の局のリアルタイムのデータが収集できない状態となっていましたが、順次復旧しているとのことです。

(参考)石川県ホームページ
https://atom.pref.ishikawa.lg.jp/

「高さ約3mの津波が襲来した」との情報がありますが、発電所は大丈夫なのですか。開く +

発電所の前面海域(防波堤と物揚場の間)の海底に設置していた波高計のデータを分析した結果、約3m上昇と約1m下降していたことを確認しています。
その後の解析および痕跡調査の結果、志賀原子力発電所の沿岸での津波高さ(遡上高)は約4mであることを確認しました。
発電所の敷地は標高11mにあり、さらに高さ4mの防潮堤、防潮壁を構築(標高15m)していることから、水位上昇による施設への影響はありませんでした。
また、補機冷却水の取水ポンプの吸込口は標高-6.2mにあることから、水位下降による取水への影響はありませんでした。
以上のことから、今回の地震による津波に対する施設の安全性が確保されていることを確認しています。

取水槽水位の解説図
志賀原子力発電所では最大何mの津波高さを想定しているのですか。開く +

志賀原子力発電所の津波想定では、海域に分布する活断層がずれたときに発生する津波と、海底地すべりによる津波の組み合わせを考慮し、発電所前面での津波高さを7.1mと評価しており、今後、国の審査を受ける予定です。

「志賀原子力発電所内の防潮壁が傾いて沈下している」とのことですが、問題はないのですか。開く +

1号機放水槽の周囲に津波対策として自主的に設置した鋼製の防潮壁(高さ4m)の南側壁に地震の影響により埋戻し部の一部が沈下し、数cm程度の傾きが確認されましたが、それ以外に異常はありません。沈下部分に生じた数cmの隙間については仮復旧を完了していることから、現時点で機能に影響はありません。
また、物揚場埋立部のコンクリート舗装、1号機高圧電源車使用箇所付近の埋戻し部に地盤沈下等が発生しましたが、いずれも被害は軽微で、他に亀裂等の大きな被害はなく、原子力発電所の安全性および使用上の支障はありません。
なお、構内の目視点検の結果、上記以外の地盤についても原子力発電所の安全性および使用上の支障はないことを確認しています。

国土地理院が「輪島市で最大4mの隆起を確認、また約90kmにわたり海岸線が隆起・変動した」との観測結果を発表しましたが、発電所の地盤に影響はなかったのですか。開く +

各機関がGPSの記録など地殻変動データを公表し、震源域の能登半島北西部ではメートル単位で隆起が発生していると報告しています。
発電所構内地盤の目視点検の結果、原子力発電所の安全性および使用上の支障がないことを確認しています。
なお、発電所構内に地盤の変位を測定する基準点を設置し、定期的に測量しており、今後行う測量結果を用いて地震発生前後のデータ比較を行うなどし、地盤への影響を確認します。

海底隆起が発生し、海水取水ができない場合でも、原子炉及び使用済燃料貯蔵プールを冷却することはできるのですか。開く +

福島第一原子力発電所の事故は、電源が喪失し、また冷却ができなくなったことが主原因ですので、その後に制定された新規制基準ではこれらに対する要求が大幅に強化されています。
このため、原子炉を運転している状態で、海底隆起が発生し、常設の海水ポンプによる取水ができなくなった場合でも、新規制基準対応等として整備した可搬型ポンプによる海水の取水を行うことで、原子炉、原子炉格納容器及び使用済燃料貯蔵プールを安定的に冷却することが可能です。
また、万が一、何らかの理由で可搬型ポンプを含めて全ての海水取水ができなくなった場合でも、新規制基準対応等として整備した以下の対策や今後整備する特定重大事故等対処設備により、原子炉、原子炉格納容器及び使用済燃料貯蔵プールを安定的に冷却することが可能です。
これらの冷却に必要な電源は、非常用電源により確保されていることから、プラントの安全を確保することができます。
 
<冷却機能確保に向けた対策>
○可搬型代替低圧ポンプ(消防車)を用いて大容量淡水貯水槽※の淡水を原子炉、原子炉格納容器及び使用済燃料貯蔵プールへ注水することで、これらの冷却が可能です。
  ※冷却に必要な7日分の容量(約1万m3)の淡水を確保

○発電所近傍に大坪川ダム(有効貯水量約36万m3)を保有していることから、長期にわたり海水が取水できない場合を想定しても大坪川ダムから淡水補給を実施することで、淡水を継続して確保することが可能です。

「珠洲沖の活断層が150kmにわたり連動した」との見方もありますが、北陸電力としてどのように評価していましたか。発電所への影響はないのですか。開く +

国の地震調査委員会は地震活動の分布などから、今回の地震の震源断層は150km程度と報告しています。
この区間には活断層が断続的に分布していることから、当社としても、これらの断層を活断層と評価するとともに、さらに複数の断層の連動も評価しており、その規模としてM(マグニチュード)8.1クラスの地震を想定しています。(今回の地震M7.6は想定内の規模)。
今後、国や各種研究機関により震源断層が明らかにされていくと考えており、それらの報告を注視するとともに、必要に応じ今後の国の審査へ適切に反映してまいります。

仮に運転中に能登半島地震と同規模の地震が発生した場合、どうなるのですか。開く +

原子力発電所では、運転中の状態を含め、大規模な地震(基準地震動)が発生し、同時に外部電源がすべてなくなったとしても、安全機能(「止める」・「冷やす」・「閉じ込める」)を満足できる設計としております。
志賀原子力発電所においては、能登半島地震で観測された地震記録は、1号機原子炉建屋地下2階 399.3ガル(三成分合成※)でしたが、志賀原子力発電所の基準地震動は、水平方向600ガル、鉛直方向405ガルであり、耐震安全性を確認していることから、仮に運転中に今回と同程度の地震が発生したとしても、発電所の安全上重要な機能に問題はありません。
志賀原子力発電所は、今回の能登半島地震を受けても、安全上重要な非常用電源、冷却設備、監視設備、外部電源などの機能を確保しており、原子力発電所の安全確保に問題は生じておりません。
なお、福島第一原子力発電所の事故後には、自主的に実施した緊急安全対策に加え、新たな規制基準を踏まえ、更なる地震・津波対策の強化や電源及び冷却設備等の多重化等、様々な追加対策を行っております。

※三成分合成:水平方向(東西方向、南北方向)、鉛直方向を合成した加速度

「今回の地震により発電所で観測した揺れが一部の周期で基準地震動を超過した」との報道がありますが、発電所の耐震安全性は確保できているのですか。開く +

今回の地震観測記録では、一部の周期(0.47秒)において基準地震動をわずかに上回りましたが、この周期には、1号機、2号機とも安全上重要な施設がないことを確認しており、発電所の耐震安全性は確保されているものと考えています。
当社としては、引き続き詳細な検討を行い、適切に評価していきます。

加速度応答スペクトル(水平方向[東西方向])
原子力発電所の耐震設計について教えてください。開く +

原子力発電所の耐震設計は、国の「耐震設計審査指針」により、設備や機器毎の重要度に基づき耐震性がS・B・Cに分類されており、当社が新規制基準適合性審査で申請している基準地震動(志賀原子力発電所2号機:1,000ガル)は、そのうち耐震設計Sクラスに適用する地震動になります。
送電線や変圧器の故障などで外部電源が使えなくなることを考慮し、外部電源に期待せずに原子力安全を確保することが国の考え方であり、志賀原子力発電所では、その考え方に基づき耐震設計Sクラスの非常用ディーゼル発電機を設置するとともに、大容量電源車や高圧電源車を確保して電源の多様化・多重化を図っています。
なお、今回、一部損傷のあった変圧器は、一般産業品と同等の耐震設計Cクラスに分類されており、志賀原子力発電所では、民間規格(JEAG5003)の要求を満たした変圧器を設置しています。この規格で要求される500ガル程度の加速度は、評価時に変圧器本体に対して水平方向に力を加える静的な加速度を示す値であり、実際の地震の揺れとは異なります。

<耐震重要度の分類>  

分類 主な設備・機器 必要な耐震性
Sクラス ・「止める」「冷やす」「閉じ込める」機能を有する安全上重要な設備・機器

原子炉格納容器、原子炉圧力容器、非常用炉心冷却系、非常用発電機など
・基準地震動に対して安全機能を保持できること
・建築基準法で規定される地震力の3.0倍(※)
Bクラス ・機能喪失した場合の影響が上記と比べ小さい設備・機器

タービン、放射性廃棄物処理設備 など
・建築基準法で規定される地震力の1.5倍(※)
Cクラス ・一般産業品と同等の安全があれば良い設備・機器

発電機、開閉所、変圧器など
・建築基準法で規定される地震力の1.0倍(※)
※機器・配管等の設備はさらに2割増し

「原子力発電所の耐震性が一般住宅よりも低い」との情報がありますが、本当ですか。開く +

原子力発電所は、地盤を掘り下げて、揺れにくい強固な岩盤に建設しており、表層地盤上に設置している一般の建物と比べて地震の揺れは1/2~1/3程度となります。
また、各原子力発電所で策定している基準地震動により、適切な地震力を計算して施設の耐震設計を行っています。
一般住宅が建設される通常の地盤では、地震による揺れが大きく増幅されているため、ハウスメーカーなどの耐震性の値(約5,000ガルなど)やK-NET※1の観測値(石川県志賀町香能2,828ガル(三成分合成※2))と、志賀原子力発電所で確認された地震記録(1号機原子炉建屋地下2階 399.3ガル(三成分合成))を単純に比較することはできません。
なお、志賀原子力発電所の現在の基準地震動は、水平方向600ガル、鉛直方向405ガルであり、福島第一原子力発電所の事故を踏まえ厳格化された耐震基準に適合するために申請した基準地震動(2014年策定)は、さらに大きな地震動として水平方向1,000ガル、鉛直方向600ガルを設定しており、今後、国の審査を受ける予定です。
※1 K-NET:Kyoshin Network(全国強震観測網)
※2 三成分合成:水平方向(東西方向、南北方向)、鉛直方向を合成した加速度


耐震性

堅固な地盤(岩盤)での揺れは表層地盤に比べ1/2~1/3程度

志賀原子力発電所の基準地震動は、高層ビルなどの一般建築物と比べてどの程度違うのですか。開く +

高層ビルなどの一般建築物の設計に用いる地震動は、建築基準法(平成12年建設省告示1461号)に定められており、これと発電所の基準地震動を比べた場合、発電所の安全上重要な施設がある0.2秒以下の短周期帯においては、発電所の基準地震動は2倍程度高く、十分に大きな地震動を設定しています。
なお、新規制基準に基づき申請中の基準地震動(2014年策定)は、現在の基準地震動よりもさらに大きな地震動を設定しており、今後、国の審査を受ける予定です。

加速度応答スペクトル(水平方向)
様々な故障が発生しているにも関わらず「志賀原子力発電所の安全性に問題はない」という説明は不安です。開く +

志賀原子力発電所は、大規模な地震(基準地震動)が発生し、同時に外部電源がすべてなくなったとしても、安全機能(「止める」・「冷やす」・「閉じ込める」)を満足できる設計としております。
今回の能登半島地震を受け、一部変圧器等の設備に被害が生じましたが、安全上重要な非常用電源、冷却設備、監視設備、外部電源などの機能を確保しており、原子力発電所の安全確保に問題は生じておりません。
なお、発電所に設置しているモニタリングポストの数値に変化はなく、外部への放射能の影響はありません。

(参考)電源の確保状況[2024年1月30日現在]
・外部電源;1号機、2号機とも、5回線中3回線使用可能。
・非常用電源;非常用ディーゼル発電機:1号機 3台使用可能、2号機 3台使用可能、大容量電源車:2台使用可能、高圧電源車:8台中、7台使用可能(1台点検中)