未来を切り拓く 用地 電気を送る。

用地 地域の方への感謝を忘れず、誇りと責任を持って社会インフラを支えます。

用地部
前田 和広

鉄塔をつくるために必要な土地の権利交渉

 用地部では、鉄塔の建替や新規設置に伴う土地の権利取得や、補償の交渉などを行っています。また、既存の設備用地に係わる契約更改や支払などの管理も用地部の業務です。鉄塔の建替や新規設置の交渉は長期間に渡ります。田畑など形が明確な平地で2年以上。山間地になると、土地の境界を調べるのに時間を要するので、3年以上かかるケースがほとんどです。先祖から代々受け継いでいる土地があると認識しているものの、場所がわからない方も多いので、まずは理解してもらうための土地調査に時間を要し、段取りが仕事の7割を占めていると言っても過言ではありません。

 基本的に交渉へ向かうのは、私一人。スムーズに交渉が進むことばかりではありません。地権者の方からすれば、大切な土地を譲る訳ですから、様々な思いもあり反対されることもあります。しかし、何度も足を運び、皆さまのお宅へ電気をお送りするための大切な事業であることを丁寧に説明して、ご理解を得られるよう交渉を行っています。

公正・公平を大切に信頼関係を築く

 地権者の方や地域の方と話をする時には、工事の必要性と目的をわかり易く説明をすることはもちろん、それ以上に相手の立場になって話をよく聞き、「思い」を感じ取ることを常に大切にしています。また、すべてのお客さまに対して「公正・公平」に送配電ネットワークを利用していただけるよう、適切に対応しています。用地業務で一番重要な地権者の方との直接交渉は、効率化することは難しく、人と人とが顔を合わせて対話することがすべて。なかなかご理解が得られず、話を聞いてもらえないような厳しい場面もありますが、粘り強く訪問を重ねる中で、地権者の方から信頼を得られるように心掛けています。

 送電線の運転開始日は決まっているため、決められた期日までに全契約を終えていなければなりません。常にプレッシャーとの闘いですが、全ての関係者からご理解をいただき、最後に鉄塔が完成した際は、頑張って良かったなと達成感を感じます。

よりスムーズに交渉を進めるための工夫

 山間地では土地の境界確定のために、これまでは地権者の方と一緒に現地まで出向き、立ち合いのもとで説明をするしかありませんでした。しかし、実際には土地を把握している方の多くが70歳以上のご高齢の方。足腰の悪い方にご足労いただくことが無いよう、最近ではあらかじめドローンで撮影した上空写真と映像を見ていただきながら、ご自宅で説明をするという方法もとっています。

 また、建替工事の際には、既設の鉄塔が建った当時の契約資料も必ず目を通さなければいけません。これまでは、資料室に保管された膨大な「紙」の資料の中から探し出すしかなく、かなりの時間をとられていましたが、今後は当時の契約資料や稟議書、議事録等の紙資料を電子化していく予定です。

 用地部の仕事は、人と人との関係性で成り立っています。「人と係わる仕事の中で、地域社会に貢献したい」という気持ちを抱いて入社した当時の初心を思い返すことで、「社会インフラを支える」という熱意を持続できていると感じています。大切な土地を提供いただく方々への感謝の気持ちを常に忘れないこと。そして、設備をつくるために必要な権利を、自分たちが確保するという自負と責任感を持って、これからも一つひとつの業務に臨んでいきます。

使命を胸に。 前田 和広

「届けるのは北陸を愛するエネルギー」