運転情報・リアルタイムデータ

過去のトラブル状況について

トラブルの状況(法律、通達対象)

分類発生
年月日
概要評価結果
法律H6.8.26原子炉冷却材再循環ポンプ(B)トリップに伴う原子炉手動停止について
(1号機)
 
定格出力で運転中、原子炉冷却材再循環ポンプ(B)が停止し、出力が31.9万キロワットに低下した後、原子炉手動停止。
原因は、原子炉冷却材再循環ポンプ(B)の可変周波数電源装置の配線と接地線が近接していたため、両線間で放電現象が発生し、絶縁不良に至ったため。
レベル0-
法律H8.5.14原子炉冷却材再循環ポンプ(B)メカニカルシール点検に伴う原子炉手動停止について
(1号機)
 
定格出力にて運転中、原子炉冷却材再循環ポンプ(B)の軸封部に機能低下が認められたため、原子炉を手動停止した。
原因は、微細な異物が軸封部に混入したてシール面が磨耗し、その磨耗粉が減圧装置の内面に付着したため。
レベル0-
法律H10.1.10復水器細管漏えいに伴う原子炉手動停止につい
(1号機)
 
定格出力にて運転中、復水器(B)の出口導電率(復水器で冷却された水中の不純物の混入量を示すもの)に上昇が認められたため、出力降下を開始したが、その後も導電率の上昇傾向が続いたため原子炉を手動停止した。
原因は、第2給水加熱器(B)の防熱板の一部が破損し、復水器内の細管に衝突し細管1本が損傷、そこから海水が漏えいしたため。また、防熱板が破損した原因は、防熱板を給水加熱器に取り付ける板の長さが設計寸法より短く、防熱板の溶接穴と板がずれていたことから、き裂が発生したため。
評価対象外
通達H11.6.14非常用ディーゼル発電設備B号機クランク軸のひびについて
(1号機)
 
第5回定期検査中(平成11年4月29日より実施)のところ、非常用ディーゼル発電設備B号機の分解点検中、平成11年6月14日、ディーゼルエンジンのクランク軸にひびが認められた。なお、本事象による外部への放射能の影響はなかった。
原因は、当該部は、表面近傍の非金属介在物の存在により疲労限度が低下していた。この状態で、加工時の残留応力に加え、試運転、定例試験、定期検査時の変動応力により、この介在物を起点として疲労によるひびが徐々に進展したものと推定される。
レベル0-
法律H14.4.2原子炉冷却材再循環ポンプ(A)の点検・調整のための原子炉手動停止について
(1号機)
 
第7回定期検査中、3月14日に発電を開始し定格出力にて調整運転中ところ、4月2日に原子炉冷却材再循環ポンプ(A)の軸振動値に変動が認められたことから、念のため原子炉を停止して点検・調整することとした。
軸振動値の変動事象について、分解・点検の結果及び運転・保守記録の確認から、異常は認められず、軸振動値の変動時にシールキャビティ温度が上昇していることから、メカニカルシール(軸封部)の摺動面の当たりが偶発的に変化することにより、シールキャビティ温度が上昇するとともに、摺動面の摩擦抵抗が増加し、軸がぶれて軸振動値が変動したものと推定される。
レベル0-
法律H18.1.26原子炉隔離時冷却系の蒸気供給隔離弁点検のための原子炉停止について
(2号機)
 
試運転中の志賀原子力発電所2号機は、平成18年1月26日午前3時50分、試運転に伴う原子炉の起動中に原子炉隔離時冷却系の蒸気供給隔離弁の開閉試験を実施していたところ、2個ある隔離弁のうち1個が全閉できなかった。
その後、当該弁は正常に閉動作することを確認したが、当該弁を詳細に点検するため同日午前9時18分、原子炉を手動で停止し調査した。
原因は、当該弁のモータを動かす電磁接触器の接点がわずかに溶着したことによるものと推定される。この溶着は、電磁接触器の接点可動部にある「ばね」がずれていたことなどにより生じたものと推定される。
電磁接触器の「ばね」のずれは、試運転開始前の清掃の際に起こったものと推定される。
レベル0-
法律H19.3.15
判明
第5回定期検査中に発生した臨界事故について
(1号機)

平成18年11月30日の原子力安全・保安院からの指示(発電設備に係る点検について)に基づき、発電設備点検委員会を平成18年12月19日に設置し、発電設備全般に係る点検を進めてきた。
この点検の中で、志賀原子力発電所1号機において、第5回定期検査(平成11年4月29日停止~7月23日起動)のため停止中、原子炉停止機能強化工事の機能確認試験の準備として、制御棒関連の弁を操作していたところ、想定外に制御棒3本が引き抜け原子炉が臨界状態となり、原子炉自動停止信号が発信しましたが、制御棒が直ちに入らなかったため緊急停止せず、約15分間制御棒が全挿入されないという事態が発生していた。また,この件については、必要な記録を残すことなく、国および自治体に報告していなかった。
レベル2
法律H21.11.13非常用ディーゼル発電機2台待機除外に伴う原子炉手動停止について
(2号機)
定格電気出力で調整運転中、非常用ディーゼル発電機A号機は、定例試験でシリンダのインジケータ弁から潤滑油が漏れ出たことにより、健全性を確認できなかった。
このため、非常用ディーゼル発電機B号機の健全性確認を実施したところ、B号機もシリンダのインジケータ弁から潤滑油が漏れ出たことにより、健全性を確認できなかったため、保安規定に従い2号機の原子炉を手動停止した。
原因は、非常用ディーゼル発電機の待機中に、シリンダ上部への潤滑油の供給を遮断すべき圧力制御逆止弁が完全に閉止していなかったため、潤滑油が給・排気弁を通してシリンダ内に流入したものと判断した。
レベル1
法律H23.1.21原子炉格納容器内冷却器凝縮水量の低下に伴う原子炉手動停止について
(2号機)
定格電気出力一定運転中、ドライウェル冷却系凝縮水流量が低下し、当該凝縮水が流入しているドライウェル高電導度廃液サンプ水位の上昇率も緩やかになった。
その後もこの傾向が改善されず、保安規定に従い原子炉を手動停止した。
点検の結果、ドライウェル冷却系除湿冷却器出口凝縮水配管に設置されているU字管が泥状の堆積物により閉塞したため、凝縮水が下流側にほとんど流れなくなったものと判明。
原因は、ドライウェル冷却系へ鉄を含む粉塵が通常よりも多く流入したこと及び定期点検毎の洗浄では泥状の堆積物までは除去できず、配管内に徐々に堆積が進み配管を閉塞させたものと推定される。
レベル0-

(注) 評価結果とは、原子力発電所のトラブルの国際評価尺度(INES)によるものです。
    INESでは、トラブルをレベル0から7までの8階級に分類し、数字が大きいほど大きなトラブルを表します。

    評価対象外 ・・・ 安全に関係しない事象
    0-       ・・・ 安全上重要でなく、安全に影響を与えない事象
    0+       ・・・ 安全上重要でないが、安全に影響を与え得る事象
    1           ・・・ 安全上重要でないが、運転制御範囲から逸脱
    2       ・・・ 事業所内外への影響は無いが、深層防護のかなりの劣化