発電所からのお知らせ

メーカにおける不適切な行為に関する製品納入の調査状況

2024年3月26日 株式会社ベンカン機工の不適切行為に関する当社調査結果の原子力規制庁への報告について

 当社は、株式会社ベンカン機工(以下、「ベンカン機工」)が、大阪工場で製造した製品において、日本産業規格(JIS)で規定される機械試験を実施せず出荷していたという不適切行為(2023年9月29日一般財団法人日本品質保証機構公表)に関し、3月13日、原子力規制庁へ志賀原子力発電所の調査結果を報告しました。

 志賀原子力発電所では、1号機及び2号機の格納容器フィルタ付ベント装置及び2号機代替高圧注水系の管継手等の一部に、当該製品を使用していることが判明しましたが、法令等で要求されている形状及び寸法、素材等が基準に適合していることを確認し、製品の使用に影響はないと判断しました。

 なお、今回管継手等の一部に不適切な行為が確認された製品は、上記の新規制基準で工事中の設備に使用されているものです。


(参考)ベンカン機工の不適切事象について


2023年4月14日 昭和電線ケーブルシステム株式会社の不適切行為に関する当社調査結果の原子力規制庁への報告について

 当社は、昭和電線ケーブルシステム株式会社(以下、「昭和電線CS」という。)が同社で製造する製品の一部において、出荷時の工場試験を顧客(納入メーカ)との間で定められた試験方法と異なる方法で試験を実施していたという不適切行為(2023年1月20日昭和電線ホールディングス公表)に関し、4月13日、原子力規制庁へ志賀原子力発電所の調査結果を報告しました。

 志賀原子力発電所のタンク等に設置されている超音波式液位計※1の一部及び体表面モニタ※2で同社製のケーブルを使用しており、工場試験で昭和電線CSと顧客との間で定められた試験方法と異なる方法で試験が実施されていましたが、いずれも、適切に試験が実施されていた型式試験※3と同様の材料、製造プロセスで製作されており、健全性に問題はありません。

※1 超音波液位計:超音波を用いて、タンク等の液面の高さを測定するもの。
※2 体表面モニタ:放射線管理区域から退出する人の身体表面の放射能汚染の有無を検査するもの。
※3 型式試験:設計どおりに製作した製品の性能確認を行う試験。性能特性に影響を与えるような材料、設計または製造工程の変更があった場合実施するもの。

(参考)昭和電線製ケーブルの不適切事象について


2022年12月15日 三菱電機株式会社の不適切行為に関する当社調査結果の原子力規制庁への報告について

 当社は、三菱電機株式会社(以下、「三菱電機」という。)が同社赤穂工場で製造する変圧器の一部において、製作時の工場試験を同社の定めと異なる手法で試験を実施していたという不適切行為(4月21日三菱電機公表)に関し、12月14日、原子力規制庁へ当社の調査結果を報告しました。
 志賀原子力発電所2号機の主変圧器及び予備電源変圧器※1は、工場試験では三菱電機の定めと異なる手法で試験が実施されていましたが、発電所搬入後、国が定める「電気設備に関する技術基準を定める省令」に従った試験を実施しており、健全性に問題はありません。

 なお、志賀原子力発電所1号機には不適切行為に該当する設備は納入されていませんでした。

※1:主変圧器、予備電源変圧器
  主変圧器:発電機電圧を送電電圧に昇圧する設備
  予備電源変圧器:送電電圧を所内高圧母線電圧に降圧する設備

(参考)三菱電機製変圧器の不適切事象について


2021年9月1日 日本軽金属株式会社の不適切な行為に関する当社調査状況について

 当社は、日本軽金属株式会社が公表した、強度を検査する際にJISの規定とは異なる方法で検査を行い出荷していたとするアルミ板製品に関し、志賀原子力発電所での使用状況の調査を行いました。
 その結果、志賀原子力発電所1号機の主変圧器及び起動変圧器※1の設備において、当該製品を使用していることが判明しましたが、当社として健全性評価を行い、原子力発電所の安全性に影響はないと判断しました。

 なお、上記は安全上重要度の高い機器等※2に該当するものではありません。

※1:主変圧器、起動変圧器
  主変圧器:発電機電圧を送電線電圧に昇圧する設備
  起動変圧器:送電線電圧を所内高圧母線電圧に降圧する設備

※2:安全上重要度の高い機器等
「安全機能を有する計測制御装置の設計指針(JEAG4611-2009)」及び「安全機能を有する電気・機械装置の重要度分類指針(JEAG4612-2010)」における重要度分類クラス1、2に属する構築物、系統及び機器並びに重大事故等対処設備をいう。

(参考)日本軽金属株式会社の不適切な行為に関する当社調査状況の報告について


2019年5月30日 菱三工業の不適切事案に対する調査結果について

 当社は、2019年3月5日に機器納入メーカより報告を受けていた、菱三工業株式会社(以下、菱三工業)の一部検査項目の未実施や頻度不足等の不適切事案に関する調査を終了しました。
 菱三工業の不適切な取り扱いがあった製品について、志賀原子力発電所での使用状況を確認した結果、以下の機器に使用しているものの、継続使用に問題ないと当社として判断しました。
 ・2号機開閉所ガス遮断器の操作機構部に使用

 なお、上記は安全上重要度の高い機器等※に該当するものではありません。

※安全上重要度の高い機器等
「安全機能を有する計測制御装置の設計指針(JEAG4611-2009)」及び「安全機能を有する電気・機械装置の重要度分類指針(JEAG4612-2010)」における重要度分類クラス1、2に属する構築物、系統及び機器 並びに 重大事故等対処設備をいう。

(参考)菱三工業株式会社の不適切事案に対する志賀原子力発電所への影響について



2019年3月5日 フジクラの不適切事案に対する調査結果について

 当社は、株式会社フジクラ(以下、フジクラ。2018年8月31日先方公表)の一部検査項目の未実施や頻度不足等の不適切事案に関する調査を終了しました。

 フジクラの不適切な取り扱いがあった製品について、志賀原子力発電所での使用状況を確認した結果、以下の機器に使用しているものの、継続使用に問題ないと当社として判断しました。
 ・難燃性耐熱ビニル絶縁電線:非常用照明設備に使用
 ・銅管:復水ろ過設備の空気作動弁空気配管用の銅管に使用  等

 なお、上記は安全上重要度の高い機器等※に該当するものではありません。

※安全上重要度の高い機器等
「安全機能を有する計測制御装置の設計指針(JEAG4611-2009)」及び「安全機能を有する電気・機械装置の重要度分類指針(JEAG4612-2010)」における重要度分類クラス1、2に属する構築物、系統及び機器 並びに 重大事故等対処設備をいう。

(参考)株式会社フジクラの不適切事案に対する志賀原子力発電所への影響について



2019年2月1日 東京計器、日立化成、トーカンの不適切事案に対する調査結果について

 当社は、メーカによる一連の不適切行為において、東京計器株式会社(以下、東京計器。2018年10月5日先方公表)、日立化成株式会社(以下、日立化成。2018年11月2日・22日先方公表)及び三菱電機株式会社子会社の株式会社トーカン(以下、トーカン。2018年12月4日先方公表)の製品に関する調査を終了しました。
 調査の中で、上記メーカ製品の志賀原子力発電所での使用状況及び健全性について確認した結果、志賀原子力発電所の安全性への影響はないと評価しました。

(1)安全上重要度の高い機器等についての確認結果
 日立化成が不適切な取り扱いがあったと公表した蓄電デバイス等に関し、志賀原子力発電所での状況を確認した結果、充電器盤や無停電電源装置のうち安全上重要度の高い機器等の一部で使用していました。これらの機器に関して調査を行った結果、以下の確認ができたことから、健全性に問題はなく、継続使用することに問題はないと当社として判断しました。
 ・ プラントメーカが、充電器盤及び無停電電源装置に蓄電デバイス(電解コンデンサ)を組み込んだ後、絶縁抵抗測定及び耐電圧試験を実施し異常がないことを確認していること。

※:安全上重要度の高い機器等:
 ここでは、「安全機能を有する計測制御装置の設計指針(JEAG4611-2009)」及び「安全機能を有する電気・機械装置の重要度分類指針(JEAG4612-2010)」における重要度分類クラス1、2に属する構築物、系統及び機器 並びに 重大事故等対処設備をいう。

(2)安全上重要度の高い機器等以外の機器等についての確認結果
 東京計器、日立化成及びトーカンにおいて不適切な取り扱いのあった製品に関し、志賀原子力発電所での状況を確認した結果、安全上重要度の高い機器等以外では以下のとおり使用しているものの、継続使用に問題ないと当社として判断しました。
 <安全上重要度の高い機器等以外の機器等における使用状況>
   ・ 東京計器:主タービン周りの油圧弁等で使用
   ・ 日立化成:充電器盤、無停電電源装置及び蓄電池で使用
   ・ トーカン:変圧器、ガス絶縁開閉装置等で使用

 なお、KYB株式会社及び株式会社川金ホールディングスが不適切な取り扱いがあったと公表している免震用・制振用オイルダンパーは、志賀原子力発電所では使用しておりません。

(参考)メーカにおける不適切な案件に関する対応状況について



2018年11月20日 セントラル硝子の不適切製品への対応について

 2018年11月6日、志賀原子力発電所の緊急時対策棟で使用しているセントラル硝子株式会社(以下、「セントラル硝子」と略す)製の強化ガラス(5箇所10枚)※1について、当社の要求するヒートソーク処理※2が実施されていない可能性があることが判明しました。
 セントラル硝子では、当該強化ガラスは強度等の性能について問題はない※3としていますが、当社として、速やかに全数取り替えることとします。

※1 緊急時対策棟の使用箇所
   1階南側風除室扉     1箇所2枚
   1階北側エアーロック室扉 4箇所8枚
※2 強化ガラスは、極めて稀にガラス内に含まれる除去不可能な異物が膨張することで自然破損することがある。この異物による自然破損の可能性を低下させるため、ガラス製造後に再加熱処理を実施し、異物が含まれていた場合に強制的に膨張させ破損させる処理のこと
※3 セントラル硝子は2018年10月26日に「強化ガラス及び耐熱強化ガラスのヒートソーク未実施について」を公表

(参考)不適切製品の可能性のある強化ガラス



2018年9月12日 日立化成の試験成績書への不適切な数値の記載等に対する調査結果について

 当社は、日立化成株式会社(以下、日立化成)の「産業用鉛蓄電池の一部製品における検査成績書への不適切な数値の記載等※1」に関し、志賀原子力発電所への影響について確認作業を進めてきました。
 この度、志賀原子力発電所に納入された日立化成の蓄電池について、製造工程及び検査結果等を調査した結果、以下の(1)から(3)の確認ができたことから、健全性に問題はなく、志賀原子力発電所の安全性への影響はないと評価しました。
 (1) 日立化成における製造工程は、製造プロセスが適切に定められており、蓄電池容量が十分確保されるものであること
 (2) 蓄電池容量について、以下の確認ができたこと
  ① 納入メーカ等が立会検査を実施した蓄電池の容量試験において、測定値は納入メーカの判定基準(電圧値)を満足し、検査に合格していること
  ② 日立化成において製造時に全数実施している社内容量検査結果では、電圧値のバラツキが小さいこと
 (3) 当社が実施する巡視点検や定期点検時に異常は認められていないこと  

 志賀原子力発電所の安全性への影響はないと評価しておりますが、安全上重要な蓄電池※2については、容量試験等をこの停止期間中に実施します。

※1 日立化成名張事業所で生産している産業用鉛蓄電池の一部製品について、納入メーカとの間で取り決めた電池容量に関する出荷時の試験方法と異なる社内の試験方法を採用し、さらに実測値とは異なるデータを検査成績書に記入して提出していたもの(日立化成、平成30年6月29日に公表)
※2 非常用系直流電源設備及び新規制基準対応設備の蓄電池

(参考)日立化成株式会社の試験成績書への不適切な数値の記載等に対する調査結果について



2018年9月12日 日本ガイシの受渡検査の不整合に対する調査結果について

 当社は、日本ガイシ株式会社(以下、日本ガイシ)のがいし類の「受渡検査における不整合※1」に関し、志賀原子力発電所への影響について確認作業を進めてきました。
 この度、志賀原子力発電所に納入された日本ガイシのがいし類について、設備の健全性を確保するために必要な技術基準※2における要求(機械的強度、絶縁性能)に対する適合性確認を行った結果、以下の(1)から(3)の確認ができたことから、健全性に問題はなく、志賀原子力発電所の安全性への影響はないと評価しました。
 (1) 機械的強度については、以下の日本ガイシの社内検査データの確認により、必要な強度を有していること
  ① 検査条件が相違する場合※3でも、機械的強度に係る検査結果に有意な差異がないこと
  ② これまでに製造された製品の機械的強度はバラツキが小さく、かつ管理値に対して十分な裕度を有していることから、抜取検査の数量不足があっても、品質は保たれていると推察できること
 (2) 絶縁性能については、当社における使用前検査等にて、性能を満足していることを当社が全数確認していること
 (3) 当社が実施する巡視点検や定期点検時に異常は認められていないこと

※1 日本ガイシのがいし類の受渡検査において、納入メーカが要求する検査に検査条件の相違や抜取検査の数量不足があったもの(日本ガイシ、平成30年5月23日に公表)
※2 「電気設備に関する技術基準を定める省令」及び「原子力発電工作物に係る電気設備に関する技術基準を定める命令」
※3 機械的強度に係る検査で、検査対象製品に電圧をかけるか否かの相違

(参考)日本ガイシ株式会社の受渡検査の不整合に対する調査結果について



2018年5月9日 三菱マテリアル関係の製品の使用状況の調査結果について

 当社は、神戸製鋼所等における製品データの不適切な行為発覚以降、志賀原子力発電所における同社製品の使用状況の調査を進めてきています。2018年3月7日、一連の調査過程で、不適切な行為ではありませんが、2号機の水圧制御ユニット・スクラム弁の三菱電線工業製のシール材※1(オーリング)の硬さの要求値逸脱について、お知らせしたところです。
 
 5月7日、新たに、1、2号機に使用している三菱電線工業製のシール材において、「引張強さ」及び「伸び」のデータの書き換えが行われた製品が納入されている可能性があることが判明しました。
 製品データを確認したところ、元データ(書き換え前の実測値)が残っている製品については、JIS規格に基づく品質要求を満足していることが確認できましたが、元データが残っていない製品については、品質要求を満足していることが確認できませんでした。品質要求を満足していることが確認できなかった製品については、据付後の試験や運転中の状況に異常は確認されていませんが、この停止期間中に取り替えることとします。
 詳細は以下のとおりです。

<当該シール材の使用場所と状況>


元データが残っている製品
元データが残っていない製品
水圧制御ユニット・スクラム弁※2
(2号機)
品質要求を満足
品質要求を満足していることが確認できないため、この停止期間中に取替[40台]
空気作動弁用電磁弁
(1、2号機)
品質要求を満足していることが確認できないため、この停止期間中に取替[21台]
 
 当社としては、引き続き、不適切な行為の有無について確認を実施するとともに、万一、品質要求を満足していない製品が確認された場合は、適切に対応してまいります。

※1 主にゴムを素材とした油・水・空気等の漏れ止め用の部品
※2 3月7日にお知らせした対象の水圧制御ユニット・スクラム弁を除く

(参考) 三菱マテリアル株式会社の子会社の不適切な行為に関する志賀原子力発電所における同社製品の使用状況調査結果について


2017年12月1日 神戸製鋼所関係の製品の使用の調査状況について

  当社は、神戸製鋼所関係のデータ改ざん等の不適切事案を受けて、1、2号機の安全上重要な部位として原子炉冷却材圧力バウンダリ及び原子炉格納容器バウンダリを構成する系統の機器を対象に不適切な製品の使用の有無を調査し、2017年12月1日、原子力規制庁へ調査結果を報告しました。
 調査の結果、1号機及び2号機において、神戸製鋼所及び関連会社の製品を使用していましたが、いずれも、不適切行為が公表された工場で製造された製品ではないことを確認しております。
 当社は、引き続き、不適切な行為の有無について確認を実施してまいります。 

※原子炉冷却材圧力バウンダリ:原子炉の通常運転時に、原子炉冷却材を内包して原子炉と同じ圧力条件となり、運転時の異常な過渡変化時及び事故時の苛酷な条件下で圧力障壁を形成する範囲
  原子炉格納容器バウンダリ  :冷却材喪失事故時に、放射性物質を外部へ拡散することを防止するための障壁となる範囲 

(参考) 志賀原子力発電所の安全上重要な部位における神戸製鋼所(関連会社含む)製品の使用状況について