電気料金改定について

ごあいさつ

 謹啓 寒冷の候 ますますご清栄のこととお喜び申しあげます。
 平素は,当社の事業運営につきまして格別のご理解,ご協力を賜り,厚くお礼申し あげます。
 さて,当社はかねて通商産業大臣に対し,電気料金の改定を申請いたしておりまし たが,12月19日に認可を受け,平成8年1月1日から実施させていただくことと なりました。
 今後は,新料金の長期安定を図るため,一層の経営効率化に取り組むとともに,こ れまで皆さまからお寄せいただきました貴重なご意見,ご要望を事業運営に反映しな がら,良質な電力の供給とサービスの向上に努めてまいる所存であります。
 今後とも,当社の事業運営に暖かいご支援,ご協力を賜りますようお願い申しあげ ます。
敬 具
平成7年12月
北陸電力株式会社    
取締役社長  山田 圭藏


1.総括原価

 平成7年度下半期から平成8年度上半期の1年間で算定した総括原価は,次のとおりです。

 なお,算定にあたっての前提諸元は下記のとおりです。

  為替レート   92 円/ドル

  原油価格   17.7 ドル/バーレル

 金 額(百万円)構成比(%)
 
 

 

 

 

 
 
 

  


 
人 件 費53,66013.3
燃 料 費35,4968.8
修 繕 費51,89812.9
資 本 費160,73840.0
公租公課42,35610.5
購入電力料83,89620.9
その他経費50,42012.5
  計 (a)478,464118.9
控 除 項 目 (b)75,00218.6
効率化努力目標額(c) 1,2150.3
差引純原価(d=a−b−c)402,247100.0
現行料金収入 (e)〔434,163〕
 440,748
 
差引額 (f=d−e)〔△31,916〕
 △38,501
 
 改定率(%)(f/e×100 ) 〔△7.35〕
  △8.74
 

(注) [ ]内は暫定引下げ措置が継続した場合の値です。

 

2.平均単価および改定率

主な種別の平均単価および改定率は次のとおりです。
                <ご参考>
 改  定
平 均 単 価
現  行
平 均 単 価
平均改定率   現行の暫定引下
げ措置継続の場
合の平均単価 
平均改定率
(対暫定引下げ
 措置継続)
 
電灯計
 円 銭
23.26
 円 銭
25.00
   %
△6.93
 円 銭
24.71
   %
△5.83
(従量電灯A・B)23.6125.36 △6.9025.07△5.82
(従量電灯C)25.8927.76 △6.7527.47△5.76
電力計15.2016.81 △9.5716.54△8.06
(業務用電力)21.4923.68 △9.2423.40△8.15
(小口電力)18.1919.70 △7.6619.42△6.32
(大口電力)11.6913.10 △10.7912.83△8.88
電灯・電力計17.1218.76 △8.7418.48△7.35


 

3.主な変更の内容

 新しい電気供給約款は,燃料費調整制度の導入,てい増料金制度の緩和などを 中心に改定を行いました。また,お客さまのご希望により適用される選択約款は, 季節別時間帯別電力の導入拡大など負荷平準化に資するメニューを充実しました。 主な変更の内容は,次のとおりです。


(1)燃料費調整制度の導入

 すべての契約種別を対象として,燃料費調整制度を導入しました。具体的には, 3か月ごとの平均燃料価格と,電気料金算定の前提となる平均燃料価格(以下「基準 燃料価格」といいます。)とを比較して,その変動幅に見合う燃料費調整単価を算定 します。この燃料費調整単価にその月のご使用電力量を乗じて得られる金額(燃料費 調整額)で,電気料金を調整します。
 ただし,その3か月の平均燃料価格の変動幅が±5%程度以内の場合には,調整 をしません。また,平均燃料価格が基準燃料価格の1.5倍以上となった場合は, 1.5倍を上限として調整します。

(2)てい増料金制度の緩和

@電灯需要の三段階料金制度

 従量電灯の第2段階電力量料金と第3段階電力量料金が適用される区分値を,250 キロワット時から 280キロワット時に変更しました。
 なお,時間帯別電灯のお客さまについては,昼間ご使用分電力量に対する第2段 階電力量料金と第3段階電力量料金適用の区分値を 190キロワット時から 210キロワ ット時に変更しました。

A電力需要の特別料金制度

 電力需要(業務用電力,低圧電力,高圧電力,特別高圧電力など)のお客さまの特別 料金を廃止しました。

(3)500キロワット未満の高圧需要の契約電力決定方法の変更

 500キロワット未満の業務用電力および高圧電力Aの契約電力決定方法は,昭和 63年以来,契約電力の大きいお客さまから,計量された最大需要電力に基づく方法 に順次変更を行い,既に契約設備電力が120キロワット以上のお客さままで変更を 完了しております。
 今回改定で120キロワット未満のご契約についても,上記の契約電力決定方法に 変更します。本約款実施日以降新規ご契約のお客さまは,全てこの契約電力決定方法 によります。既設のお客さまについては,次表のスケジュールにより計画的に変更し ていくこととしますが,お客さまが希望される場合にはスケジュールを繰り上げて変 更します。

@既設のお客さまの契約電力決定方法変更スケジュール

契約設備電力切 替 月
120kW未満〜100kW以上
100kW未満〜 90kW以上
 90kW未満〜 80kW以上
 80kW未満〜 70kW以上
 70kW未満〜 60kW以上
 60kW未満〜 50kW以上
 50kW未満
 平成8年7月 
 平成9年7月 
 平成10年7月 
 平成11年7月 
 平成12年7月 
 平成13年7月 
 平成14年7月 

Aお客さまが変更を希望される場合

 お申出により,その翌年度の7月に変更します。
 ただし,平成8年1月から3月までのお申出は,平成8年度中のお申出と同じく, 平成9年7月に変更させていただきます。

(4)季節別時間帯別料金制度の拡大

 季節別時間帯別料金制度は,契約電力500キロワット以上の大口産業用のお客 さまが希望される場合を対象にしておりましたが,これを高圧電力Aのお客さままで 拡大しました。

 また,新たに業務用電力のお客さまを対象とする季節別時間帯別料金 制度を設定します。(高圧電力Aおよび500キロワット未満の業務用電力のお客さ まへの拡大実施は平成8年4月からの予定です。)

(5)融雪用電力の最低使用期間の変更

 電熱による融雪を対象とする融雪用電力は,ご使用実態に即して,最低使用期間を従 来の3か月から2か月に変更しました。(なお,散水による道路融雪を中心とする第 2融雪用電力の最低使用期間は,従来通り3か月です。)

(6)氷蓄熱空調システムに対する料金上の取扱い

 業務用蓄熱調整契約および産業用蓄熱調整契約のお客さまは,通常の料金お支払い 方法のほかに,氷蓄熱式空調システムの設置により,昼間から夜間に負荷移行された 電力に応じて,最初の2年間は一定額を割り引き,後の3年間は割り増しすることに よって,最初の2年間の割引額を相殺するお支払い方法を選べることとしました。


 このお支払い方法は,平成8年1月以降,平成12年3月までに氷蓄熱式空調シ ステムを設置し,ご希望されるお客さまに適用します。


  最初の2年間の割引額 
(負荷移行電力1キ
ロワットあたり )
 あとの3年間の割増額 
(負荷移行電力1キ
ロワットあたり )
 業務用蓄熱調整契約     1,140円/月     760円/月
 産業用蓄熱調整契約      570円/月     380円/月

(7)契約超過金の対象範囲の変更

 契約電力500キロワット以上のお客さまが契約電力を超過して使用された場合, 従来は契約を超過して使用された電力のうち,契約電力の4%を上回る分を対象とし て契約超過金を申し受けましたが,これを,契約超過ご使用分全部を対象とすること に変更しました。


( 別 表 )

お客さまごとの引下げ額(モデルケ−ス)

(ひと月あたり,消費税を含む金額)

契 約
種 別
 ご 使 用 例  現行規程
料  金
 A 
暫定引下げを
継続した場合
の料金   

今回改定
料  金

引下げ額
対現行規
程料金 
C−A
対暫定引
下げ料金
C−B









契約     30 A
使用電力量 310 kWh

7,792 

7,700 

7,219 

△ 573 

△ 481