プレスリリース・記者会見

「2019年度決算」金井社長会見要旨

2020年4月30日
北陸電力株式会社


 本日は、大変お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。日頃、皆さまには、当社の事業運営に格別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげます。

 まずはじめに、新型コロナウイルスに関する事業継続体制についてですが、志賀原子力発電所、各火力発電所、中央給電指令所等、電力供給の最前線で交替勤務を行っている職場では、発電所の中央制御室や給電所の指令室への入室者を必要最小限に制限するとともに、業務引継ぎ時には十分な離隔距離を確保した上で引継ぎを行っております。また、運転員の間で共用する操作用キーボード、机、ドアノブ等の消毒の徹底や、当直に入っていない運転員や運転資格保有者を別棟で勤務させる等の対策を実施しています。
 さらに万が一、運転員の中で感染者が出た場合に備え、過去の経験者をリストアップし早急にバックアップ出来る体制も整えています。
 また、本店、支店、送配電支社においては、安定供給確保に必要な業務運営体制を確保しつつ、在宅勤務を強力に推進し、やむを得ず出社する場合は時差出勤を行う等の対策を講じています。
 また、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、休業や失業等で一時的に電気料金の支払いが困難となるお客さまに対しまして、2020年3月分、4月分および5月分の電気料金の支払期日を延長する特別措置をとらせていただいております。また、特別措置の適用とならないお客さまから支払延期等の問合せや相談が寄せられておりまして、個別の事情をお伺いして対応させていただいております。
 引き続き、今後の状況に注視するとともに、当社グループ最大の使命でもある電力の安定供給に努めてまいります。

 それでは、お手元の資料に基づき、「2019年度決算」「長期ビジョン達成に向けた北陸電力グループの取組み 2020年度」「役員人事等」について、順次説明させていただきます。

 まず、お手元の資料1「2019年度決算について」をご覧いただきたいと思います。
 はじめにスライド1の「販売電力量」でありますが、小売販売電力量は、250.5億kWhと、前年度に比べ10.1億kWhの減少となりました。これは、電灯において暖冬影響で暖房需要が減少したことや、電力において景気減速の影響などがあり、前年度を下回ったものです。
 一方、卸販売電力量は、64.4億kWhと、前年度に比べ21.0億kWhの増加となりました。これは、卸電力取引所等への販売が増加したことに よるものであります。
 この結果、総販売電力量は、315.0億kWhと10.9億kWhの増加となりました。

 次に、スライド2の「決算概要」をご覧ください。
 連結売上高(営業収益)は、6,280億円と、前年度に比べ51億円の増収となりました。これは、小売販売電力量の減少はありましたが、卸販売電力量が増加したことやグループ会社の売上が増加したことなどによるものです。
 連結経常利益は232億円となり、前年度に比べ165億円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は134億円となり、109億円の増益となりました。
 2019年度の期末配当につきましては、一定程度の利益を確保することができたことなどを踏まえ、1月に公表したとおり、1株につき10円といたします。

 次にスライド3で、前年度からの連結経常利益の変動要因について説明いたします。
 まず、増益要因として、石炭火力の稼働増による卸販売の増加などにより、65億円程度、LNG火力の稼働増により、45億円程度、減価償却費の減少などにより、175億円程度、グループ会社の利益増により、30億円程度、それぞれ収支好転となりました。
 一方、減益要因として、小売販売電力量の減少により、50億円程度、法的分離対応に係る委託費の増加などにより、100億円程度の収支悪化となり、連結経常利益が232億円となったものです。
                     
 次に、スライド4の「業績予想および配当予想」についてであります。
 現時点では、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による電力販売への影響、原油・石炭等の資源価格、外国為替などの動向が全く不透明なことから、「業績予想」につきましては、売上高、利益予想ともに未定としておりますが、参考として、足元の販売電力量の状況についてご説明しますと、3月までは、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は限定的でありましたが、4月中旬に緊急事態宣言が全国に拡大されて以降、商業施設の営業時間短縮や休業などによって、ビル・店舗等のお客さまのご使用量に減少がみられます。
 また、一部工場のお客さまのご使用量につきましても、減少傾向がみられる状況となっております。
 このような状況が今後どのように推移していくか注視してまいります。
 次に、「配当予想」についてでありますが、安定配当を継続し、株主の皆さまのご期待にお応えしていく観点から、中間、期末配当ともに1株につき5円とし、年間10円の配当を予定しております。
 新型コロナウイルス感染症の影響等により、経営環境は極めて不透明でありますが、引き続き、最大限の経営効率化に取り組んでまいりたいと考えております。
 2019年度決算については以上です。

 続きまして、資料3「長期ビジョン達成に向けた北陸電力グループの取組み 2020年度」について説明いたします。
 まず、資料冒頭の囲みをご覧ください。
 当社グループは2019年4月に長期ビジョンと、第一次中期経営方針・経営計画を策定・公表し、今年度で2年目を迎えております。中期経営方針の4本柱の見直しは行っていませんが、足元の情勢変化等を踏まえ、施策の加速化および見直しを図るため、このたび、第一次中期経営計画2020年度版を策定しました。
 新型コロナウイルス感染症への対応については、今後の事態の推移を見極めつつ、必要に応じて機動的に計画を見直していきます。

 それでははじめに、「3.第一次中期経営計画における重点施策」をご覧ください。経営方針の4本柱ごとに、主な取組みをご説明します。
 まず、「安定供給の確保」についてですが、志賀原子力発電所については、3月の審査会合において、陸域および海岸部の審査対象断層として9本の選定について理解を得ることができました。今後は、対象断層の活動性評価の審査に適切に対応するとともに、安全対策工事を着実に実施し、早期再稼働を目指します。
 石炭火力については、至近のトラブルを踏まえ、主力4機のタービンやボイラーの炉内設備について予防保全的な取替や、AI・IoT技術を活用したトラブル早期検知システム等の導入により、一層の安定運転に努めていきます。
 送配電設備については、北陸電力送配電株式会社において、引き続き安定供給確保に取り組むとともに、最近の自然災害の激甚化を踏まえたレジリエンス強化等に着実に取り組みます。

 次に「総合エネルギー事業の競争力強化」についてです。
 発電部門においては、引き続き、低炭素化の取組みを推進します。
 具体的には、2024年度からのバイオマス混焼比率の増加に向け、発電設備の改造や北米等からの木質ペレットの調達の検討を進めてまいります。
 また、火力発電の競争力強化に向けて、富山新港火力発電所1号機について、硫黄分の少ない原油燃料の調達環境が不透明さを増していることを踏まえ、安定供給に支障がないことを確認の上、本年10月に休止とする予定です。
 燃料については、LNGのスポット調達や、石炭の近距離地域からの調達拡大により、価格低減を図ります。
 続いて、販売部門についてです。
 「使っておとくライト」などの新料金メニューの設定やトータルソリューション営業等により、お客さまから引き続き選択いただけるよう努めるとともに、首都圏においても更なるお客さまの獲得に取り組みます。
 また、新たな価値サービス提供の一環として、ご家庭向けの水力電源100%、二酸化炭素排出係数ゼロの付加価値をプラスした電気料金プランの導入を検討しています。

 次に「グループ総力による事業領域拡大」についてです。
 まず、当社で実施している投資業務をより機動的・専門的に行う子会社として「北陸電力ビジネス・インベストメント合同会社」を6月25日に設立する予定です。本件については、資料4として添付しておりますので、確認ください。
 地域の課題解決に関しては、金沢市ガス・発電事業の民営化方針を受け、両事業を譲り受ける新会社への参画について検討を進めています。
 海外電力事業については、本年4月に海外ファンドへの出資を行いました。また、東南アジア等における発電事業への出資についても検討を進めています。

 最後に、「企業文化の深化」についてです。
 安全最優先やコンプライアンスの徹底による安全文化の更なる深化により、社会から信頼いただけるよう、継続して取り組んでいきます。
 関西電力株式会社における金品受領問題に関してですが、当社においては、不適切な金品の受領、減額した役員報酬の補填等の事案はなかったことを確認しています。さらに、昨年11月に行動規範を一部改正し、贈答品の受け取りを一切禁止しております。
 今後も、より一層のコンプライアンスの徹底に向けた不断の取組みを進めてまいります。
 以上の施策を中心に諸課題に対処し、第一次中期経営計画の着実な遂行を図り、長期ビジョンの達成を目指していきます。

 続きまして、資料5「役員等人事について」をご覧ください。
 本日開催の取締役会において、役員人事等について資料のとおり内定いたしました。来る6月25日開催の第96回定時株主総会および株主総会終了後の取締役会を経て、正式に決定される予定です。

 私からの説明は以上です。

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