越前変電所および加賀幹線の50万ボルト送電の開始について
平成9年4月21日
北陸電力株式会社
越前変電所および加賀幹線の50万ボルト送電の開始について
当社では、年々増加する電力需要にお応えするため、送変電設備の新増設など電力系統の拡充整備を進めてきております。その中核をなす基幹系統は、昭和39年に新富山変電所(富山県)を建設して以来、最高電圧27万5千ボルトで北陸三県を結ぶと共に関西電力と連系しておりましたが、系統規模が拡大するなかで電力の安定供給を図るため、50万ボルトの導入による強化が必要になってまいりました。
このため、中能登変電所(石川県)、加賀変電所(石川県)および越前変電所(福井県)に当社初の50万ボルト用変圧器、開閉設備を設置し、能登幹線、加賀幹線および越前嶺南線を27万5千ボルトから50万ボルトに昇圧する工事を進めてまいりました。
このうち、中能登変電所、加賀変電所およびこの両変電所を結ぶ能登幹線は工事が完成し、平成8年11月から50万ボルト送電を始めております。
このたび、越前変電所および加賀変電所から越前変電所までの加賀幹線(1号線)の工事が完成し、4月18日より50万ボルト送電を開始いたしましたのでお知らせいたします。
なお、今回越前開閉所の50万ボルト送電開始に伴い、「越前開閉所」を「越前変電所」と名称を変更いたしました。
今回の工事の特徴としては、次のような点があげられます。
- 越前変電所に100万キロボルトアンペアの大容量変圧器1台を設置しました。
- 系統上重要拠点となる変電所のため、50万ボルト開閉設備にコンパクトで信頼性が高いガス絶縁開閉装置を全面的に採用しています。
- 監視制御装置のデジタル化や光LANの採用、主要変圧器と開閉設備の自動診断や開閉設備の故障箇所を自動判定する装置など最新技術をとり入れ、万一の故障時の復旧の迅速化や保守の省力化を図っています。
- 騒音防止対策、周辺緑化、油流出防止対策など環境保全に十分留意した設備としております。
- 越前変電所は無人とし福井総合制御所から遠方監視制御を行い効率化を図っております。
各設備の概要は別紙のとおりでございます。
今回の昇圧工事にあたりましては、地域の皆さまをはじめ関係方面の方々の多大なご理解とご協力を賜り厚くお礼申しあげます。今後とも一層のご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申しあげます。
(参考:今後は、関西電力(株)との連系線である越前嶺南線の昇圧工事を引き続き進め、平成9年6月末にはすべての工事が完了する予定であります。)
以 上
別紙
設 備 概 要
1.変電設備
越前変電所
所在地 | 福井県足羽郡美山町南宮地 |
変圧器 | 100万キロボルト アンペア1台 (50万ボルトト/27万5千ボルト) |
開閉設備 | 50万ボルト ガス絶縁開閉装置(今回新設)(送電線4回線分) |
敷地面積 | 約7万m2(内造成分4万m2) |
工 期 | 着工 平成6年8月 使用開始 平成9年4月 |
2.送電設備
加賀幹線
区間 | 加賀変電所〜越前変電所 |
亘長 | 70.0km |
電圧 | 50万ボルト |
回線数 | 2回線 |
鉄塔基数 | 175基(今回新設4基) |
電線サイズ | 鋼心アルミより線 410mm2×4導体 |
工 期 | 着 工 平成8年7月 使用開始 平成9年4月 |
(参考)
用 語 | 説 明 |
ガス絶縁開閉装置 |
ガス絶縁開閉装置は、高い電圧がかかっている開閉器部分を全て金属容器の中に収納し、内部に絶縁性の高いガスを充填した構造のものです。従来の開閉装置に比べてコンパクト化されて所要面積も小さく、信頼性の高い開閉装置です。 |
監視制御装置のデジタル化 |
従来は、電圧計、電流計および操作スイッチを取り付けた配電盤で機器の監視および制御を行っていました。今回のデジタル型監視制御装置は、電圧、電流および遮断器などの情報をデジタルデ−タに変換し、コンピュ−タ−を利用して機器を監視および制御するシステムです。コンピュ−タ−化により、装置の点検が自動化されたほか、多くの情報が容易に取り出し可能となり、監視や制御が高度化され、大幅な信頼性の向上が図れます。 |
光LAN |
送電線や機器の情報をデジタルデ−タに変換し、これを光ケ−ブルを用いて伝送するシステムで、構内に光ケ−ブルのネットワ−クを構築したものです。 |