志賀原子力発電所1号機の配管溶接部焼鈍温度記録に、真正でない温度記録が使用された可能性がある9箇所の溶接部(疑義部位)について、国の立会いの下、平成10年2月4日から6日の3日間、健全性確認のための現場調査を実施いたしました。
その結果、本日9箇所全てについて、適切な焼鈍によって得られるべき溶接部の健全性が確保されているとの国の評価が示されました。
1. | 調査概要 |
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志賀原子力発電所1号機において焼鈍の温度記録として真正の記録が使用されていない可能性のある溶接部9箇所について、適切な焼鈍によって得られるべき溶接部の健全性が確保されているかにつき、平成10年2月4日から2月6日まで調査を行った。 |
2. | 調査内容 |
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(1) |
調査対象箇所:9箇所の真正の温度記録が使用されていない可能性のある箇所。 |
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(2) | 調査方法 |
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a) | 金属組織観察(スンプ法) |
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b) | 残留応力測定(磁歪法) |
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c) | 硬さ測定(速度比検出式硬さ測定法(ビッカース硬さ表示)) |
3. | 調査結果及び評価 |
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(1) | 金属組織観察 |
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No.1〜9の各部位について、金属組織観察の結果をモックアップ試験の結果と比較すると、全ての部位について、焼鈍が行われたものに特有の金属組織が観察された。 |
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(2) | 残留応力測定及び硬さ測定 |
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No.1〜9の各部位における、磁歪法による残留応力測定結果及び速度比検出式硬さ試験による硬さ測定結果をモックアップ試験結果と比較すると、全ての部位について、残留応力は適正な焼鈍を行った試験体の状態に相当し、かつ、硬さも特段問題ないと判断される。 |
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(3) |
以上の結果から、全ての部位について、金属組織、残留応力及び硬さから総合的に判断すると、適切な焼鈍によって得られるべき溶接部の健全性は確保されていると考えられる。 |