平成10年1月7日
北陸電力株式会社
平成10年度経営方針の概要
電気事業においては,一層の競争導入とコスト削減が求められているが, 一方で,エネルギーセキュリティー・公平なサービスの提供・地球環境問題などとの整合性を図り,我が国に相応しい供給システムを構築していくことが必要である。
激動する経営環境の中にあって,低廉で良質な電力を安定的に供給するという使命を着実に果し,地域とのより強固な信頼関係を構築することが何よりも肝要である。
(1)経営効率化施策の着実な実施による経営基盤の強化
引下げ申請した電気料金は,これまでの効率化成果に加え,今後の効率化を先取りしたものであり、この前提となった経営効率化計画の実効を期し,経営基盤の強化を図らなければならない。
増加傾向にある設備関連費の抑制と供給信頼度の維持の両立を目指し,電源・流通など設備別に自主的に目標を設定して,設備投資額・修繕費を削減する。
設備・需給運用にあたっては,原子力,火力などの設備利用率や効率の向上を図るとともに,設備全般にわたるきめ細かい運用に努める。
これらにより,労働生産性の向上を図るとともに諸経費を削減する。
(2)お客さまから信頼されるCE活動の推進
お客さま満足度のより一層の向上と地域活性化を目指し,お客さまの視点に立ったCE(Customer's Eye)活動を強力に推進する。
関係会社,関連企業等と一体となり,深夜機器の普及促進,料金メニューのPRなどをタイムリーかつスピーディに展開する。
昨秋発表した「北陸21世紀ビジョン」の実現に向け,産学官が連携した調査・研究の効果的な実施や,情報発信により地域の発展に資する。
(3)地球環境に優しい経営活動の展開
COP3での合意を踏まえ,原子力開発や省エネルギーの推進に全社を挙げて取り組む。
昨年導入した環境マネジメントシステム(EMS)に基づき,富山新港火力などモデル事業所での国際規格の認証取得を目指す。
(4)創造的企業を目指した新しい企業文化の構築
供給者の視点から消費者本位へ意識を改革し,新しい企業文化を構築する。
部門間・事業所間の人的ネットワークをより強化し,従業員一人ひとりが,時代を先取りして,自らの業務を改革する。
地域高度情報ネットワーク構築への協力などを行うとともに,グループワイドでの事業の国際化を進める。
以上の重点事項の推進にあたっては,北電グループの総力を結集して,健全な企業倫理観を持って事業運営にあたり,「Power&Intelligenceでゆたかな活力あふれる北陸を」の企業理念のもと,総合エネルギー知識産業の実現を目指す。
以上