運転情報・リアルタイムデータ

マンスリーレポート(2019年7月分)

志賀原子力発電所の概況、トピックス、運転保守情報について等、毎月レポートいたします。


1.概 況

(1)志賀原子力発電所1号機
7月は定期検査のため停止していました。(平成23年10月8日より第13回定期検査を実施中) 

(2)志賀原子力発電所2号機
7月は定期検査のため停止していました。(平成23年3月11日より第3回定期検査を実施中)


2.トピックス

地元志賀町の海岸清掃の実施
 環境美化活動の一環として、海水浴シーズンを前に地元志賀町の増穂浦海岸(7月8日)および大島海岸(7月10日)の清掃を実施しました。
 この海岸清掃は毎年実施しており、今年も志賀原子力発電所、原子力部、地域社会部および協力会社の従業員が約210名参加し、空缶などのゴミ収集に汗を流しました。


大島海岸の清掃の様子



3.事故・故障等の情報

志賀原子力発電所における事故、故障等に関する情報です。
これは、法令・安全協定等に基づき、国、石川県、志賀町等関係自治体に連絡しているものです。 

発 生 月 日
連 絡 月 日
件名・事象の概要
連 絡 区 分
詳  細
2019年
7月5日
2019年
7月5日
 志賀原子力発電所構内における高圧電源車からの
出火について

 7月5日、志賀原子力発電所の防災資機材倉庫付
近に配置している高圧電源車から出火を確認したた
め、ただちに、消火器で消火し、その後、公設消防
署により鎮火を確認していただきました。

 調査の結果、出火の原因は以下によるものです。
 ①リコール対応の不備
   車両メーカがリコール対応として当該高圧電
   源車のケーブルを敷設し直した際に、バッテ
   リの引出しを考慮したケーブル余長を確保し
   ていませんでした。
 ②バッテリ引出しによる電源ケーブル破損
   電源装置メーカが至近の点検でバッテリを引
   き出した際、電源ケーブルに張力が加わり、
   コネクタ部から金属部分が引き抜かれ露出し
   ました。
 ③破損ケーブル短絡に伴う配管発熱による発火
   当該高圧電源車を運転しようとしたところエ
   ンジンが始動しなかったため、電源装置メー
   カがその状態確認として電源ケーブルを触手
   確認した際に、金属部分がエア配管に接触し
   ました。これにより同配管に電流が流れ発熱
   し、同配管に取り付けられていた2箇所の振
   止めクリップ(樹脂製)より発火しました。

 今回の事象に対し、志賀原子力発電所の緊急時に
使用する車両について、以下の再発防止対策を行い
ます。
 ①車両メーカは、バッテリの引出しを考慮してケ
  ーブルを敷設します。また、発熱した配管等の
  点検を行い、必要な補修を実施します。
 ②点検でバッテリの引出しをする場合、ケーブル
  に張力がかかっていないことを確認する旨を協
  力会社及び電源車等の装置メーカの作業要領書
  に反映します。
 ③緊急時に使用する車両においては、装置部分に
  限らず車両部分であっても、不具合が発生した
  場合は、安全処置も含め、原因調査項目及び調
  査に必要な処置等について事前に検討するとと
  もに、それら作業を実施する会社の作業要領書
  等に明記したうえで作業します。

 再発防止をより確実にするため、更なる取組みと
して、管理面で以下の改善に取り組んでいきます。
 ①緊急時に使用する車両のリコール対応後の車両
  受入時に、車両メーカから作業結果を確認する
  とともに、可能な範囲で実機での施工状態の確
  認を行います。また、緊急時に使用する車両の
  整備において、当該車両に改造部位がある場合
  は、車両メーカや車両整備会社に対しその旨の
  注意喚起を行います。
 ②志賀原子力発電所内における気付き事項を幅広
  く収集し、関係者間で情報共有するため、協力
  会社等が当社に提出する作業日報に気付き程度
  の事項でも積極的な記載を求めることも含めて
  、本事象について協力会社を含め社内に周知・
  注意喚起を行います。
安全協定
プレス
リリース
7/5


プレス
リリース
7/26


4.運転保守情報

志賀原子力発電所における機器の修理等の運転保守に関する情報です。
これは、法令および安全協定には該当しませんが、連絡基準覚書等に基づき石川県、志賀町等関係自治体に連絡しているものです。 

発 生 月 日
連 絡 月 日
件名・事象の概要
連 絡 区 分
詳  細
2019年
7月22日
2019年
8月9日
 志賀原子力発電所1号機 タービン補機冷却海
水系の配管からの海水漏えいについて

 志賀原子力発電所1号機(第13回定期検査中)
において、2019年7月22日(月)14時頃、1号機
海水熱交換器建屋(非管理区域)のタービン補機
冷却海水系※1海水ストレーナ(C)逆洗水出口配管※2
から海水が漏えいしていることを確認しました。
このため、タービン補機冷却海水系を停止し、漏
えいは止まりました。
 その後、当該配管を取り外し、閉止フランジを
取り付け、タービン補機冷却海水系を再起動しま
した。
 漏えいした海水は放射性物質を含んでおらず、
本事象による外部への放射能の影響はありませ
ん。
 調査の結果、当該配管は、乱流が生じやすい配
管径変化部であることに加え、海水ストレーナ下
流近傍であり海水ストレーナ洗浄のつど洗浄排水
に含まれる海生生物等の影響を受けやすいことか
ら、配管内面に施工されているライニング※3が偶
発的に損傷し、その後配管内面が腐食したことに
より、配管そのものに小さな孔が開き、海水が漏
えいしたものと推定しています。
 今後、9月下旬を目途に当該配管の交換を実施
するとともに、海水ストレーナ下流近傍の配管径
変化部についても定期的に点検を実施します。

※1 タービン補機冷却水系熱交換器へ冷却水と
   して海水を供給し、タービン補機冷却水系
   の機能を維持する系統。
※2 海水ストレーナに付着した海生生物等を取
   り除くため、海水ストレーナの洗浄を実施
   した際に、その洗浄排水を放水路に導く配
   管。
※3 配管内面の腐食を防止するため、ポリエチ
   レン製の樹脂を溶着したもの。

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連絡基準覚書とは、石川県、志賀町との間で締結した「志賀原子力発電所における石川県・志賀町への連絡基準に係る覚書」です。

連絡区分 Ⅰ :  直ちに連絡が必要なもの
連絡区分 Ⅱ :  区分Ⅰよりも緊急性の程度は低いが、速やかな連絡が必要なもの
連絡区分 Ⅲ :  保守情報として定期的(原則、翌月10日まで)に連絡することが適当なもの



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