社長メッセージ

「北陸と共に発展し、新たな価値を全国・海外へ」の実現に向け、

新たな分野に挑戦し、北陸電力グループの未来を創造していきます  


代表取締役社長 社長執行役員 金井豊



2019年度の振り返り


 昨年4月に「北陸電力グループ2030長期ビジョン」と、実行計画である「第一次中期経営方針・計画〈2019~2022年度〉」を策定・公表しました。初年度の2019年度の業績については、主力石炭火力の七尾大田火力発電所2号機および敦賀火力発電所2号機が合計165日間にわたりトラブル停止したことで大きな影響を受けたものの、前倒しでの復旧や収支対策の実施等により、232億円の連結経常利益を確保し、3期ぶりの復配を果たすことが出来ました。経営効率化への取組みや、今後の収支改善に向けた取組みについても計画通り進捗しています。一方で、利益水準は、長期ビジョン目標の期間平均350億円には届いていません。志賀原子力発電所の早期再稼働、大型石炭火力発電所の安定運転や事業領域の拡大の加速化等の課題が見えてきた一年でもありました。
  


第一次中期経営方針・計画は2年目を迎えました


 2020年度は、第一次中期経営方針(安定供給の確保、総合エネルギー事業の競争力強化、グループ総力による事業領域拡大、企業文化の深化)の見直しは行っていませんが、主要石炭火力発電所での至近のトラブルや地球温暖化問題を受けた石炭火力に対する更なる逆風等の足元の情勢変化等を踏まえ、施策の加速化および見直しを図るため、「第一次中期経営計画〈2019~2022年度〉【2020年度版】」を策定しました。
 新型コロナウイルス感染症への対応については、事業継続計画の適切な運用等により電力の安定供給に万全を期すとともに、販売電力量の減少等による業績悪化リスクに迅速・的確に対処していきます。
 


発電部門の取組み


 発電部門では、まずは電力の安定供給や競争力強化に向けて、志賀原子力発電所の早期再稼働と大型石炭火力の安定運転が不可欠です。
 志賀原子力発電所については、新規制基準への適合性確認審査のステップが対象断層の選定からいよいよ断層の活動性評価へ移行しました。これまでの調査でデータを充実してきており、丁寧に説明していくことで、当社の主張をご理解いただけるものと考えています。適合性確認審査に適切に対応するとともに、安全対策工事を着実に実施し、早期再稼働を目指します。
 大型石炭火力の安定運転については、主力4機のタービンおよびボイラー炉内設備の予防保全的な取替えを行うとともに、AI・IoT技術を活用したトラブル早期検知システムを導入するなど、トラブルの原因箇所の補修にとどまらない抜本的な対策を行います。
 また、国のエネルギー政策を踏まえ、低炭素化と経済性を両立する電源構成の構築に向けた取組みも進めていきます。石炭火力については、世界的に逆風が強まっていますが、バイオマス燃料の混焼比率の増加やタービン取替え等による熱効率向上に取り組みながら、引き続き有効活用していきます。石油火力については、火力発電の競争力強化に向けて、硫黄分の少ない原油燃料の調達環境が不透明さを増していることを踏まえ、富山新港火力発電所1号機を本年10月に休止とする予定です。更に、水力発電電力量の増加や新規地点の発掘強化等、再生可能エネルギーの拡大にも積極的に取り組んでいきます。


送配電部門の取組み


 本年4月に送配電部門を分社し、新たに設立した北陸電力送配電㈱が事業を開始しました。分社後も、送配電部門の中立性・公平性を確保しつつ、電力の安定供給確保と地域の発展への貢献という使命をグループ一丸となって果たしていきます。また、高経年設備の更新工事の着実な実施、最近の自然災害の激甚化を踏まえた電力レジリエンス強化や再生可能エネルギーの大量導入に対応した次世代ネットワーク構築等の諸課題にも着実に取り組んでいきます。


販売部門の取組み


  2018年4月に一部のお客さまに料金値上げをお願いして以降、一時は他社への切り替えが増加していましたが、営業活動の積極的な展開により、当社と再契約を頂くケースも増えてきました。また、首都圏での販売も好調に推移しており、電力自由化後の小売販売にはしっかり対応できていると考えています。今後も、新料金メニューの設定やほくリンクの会員・サービス拡大、トータルソリューション営業等によって、お客さまから引き続き選択いただけるよう努めるとともに、これまで以上に、電力販売と合わせた新たな価値サービスの提案や自治体との連携強化を目指していきます。


事業領域拡大に向けた取組み


 本年4月に当社初の海外事業として海外の再生可能エネルギー事業等を投資対象とするファンドに出資を行いました。また、当社保有の検針の知見とIoT技術を融合した自動販売機の遠隔検針サービスについても、本年3月に特許を出願し、お客さまに提案を行う等、事業領域拡大に向けた取組みを着実に進めています。また、本年6月に、投資業務をより機動的・専門的に実施し、成長に必要な投資を加速させるため、投資子会社「北陸電力ビジネス・インベストメント合同会社」を設立しました。足元では、金沢市ガス・発電事業の民営化方針を受け、両事業を譲り受ける新会社への参画や、東南アジア等における発電事業への出資についても検討中です。今後も、地域が抱える課題やニーズに積極的に対応し、ビジネスチャンスにつなげるとともに、〝お役立ち〟の精神で地域の発展を牽引できるよう取り組んでいきます。


企業文化の深化


 地域の皆さまから信頼いただけるよう、安全文化の更なる深化や業務品質の向上を図るとともに、一層のコンプライアンス徹底に向け、不断の取組みを進めていきます。関西電力㈱における金品受領問題を受け、当社では、不適切な金品等の受領および工事発注に係る不適切な事案がなかったことを確認しておりますが、当社として自律的に企業倫理・法令遵守の更なる徹底を図る観点から、昨年11月に社内ルールである行動規範を一部改正し、贈答品の受け取りを一切禁止しました。今後も、地域社会への貢献や地域の皆さまとの双方向の対話活動にも引き続き取り組むことで、地域の皆さまから信頼され選択される北陸電力グループを目指します。


持続可能な社会の実現に向けて


 当社グループは、低廉で良質なエネルギーの安定供給や新たな価値サービスの提供等により、エネルギー事業を通じて豊かな暮らしや低炭素社会の実現に取り組んでいます。また、地域に根差したインフラ事業者として、これまで培ってきた技術や知見等を活用し、地域が抱える社会的課題の解決にも地域と一緒になって取り組んでいきます。今後も、ESGの視点による経営を更に深化させることで、持続可能な社会の実現(SDGsの達成)に貢献していきます。