原子力発電の燃料であるウランは、火力発電の燃料である石油や石炭、天然ガスに比べて少ない量で発電することができます。
例えば、100万kWの発電所を1年間運転するため、石油火力発電では155万トン(20万トンタンカー7.8隻分)の石油が必要ですが、原子力発電なら21トン(10トントラック2.1台分)のウランで済みます。
つまり、原子力発電は、石油火力発電と比べ、7万分の1以下の容量の燃料で同じ量の電気を発電することができ、輸送や貯蔵も容易ということになります。

原子力発電所では、一度ウラン燃料を原子炉の中に入れると、1年程度はその燃料を取り替えずに発電できることに加え、燃料の加工の過程にウランが存在するので、これらを合わせると少なく見積もっても約2年分程度の備蓄性があると評価できます。
なお、我が国は年間2,000億円をかけて石油の備蓄を行っていますが、備蓄量は171日分程度です。
原子力発電の燃料となるウランも、石油と同様、海外からの輸入に依存しなければなりません。
しかし、石油と異なり供給国はカナダ、オーストラリアなどの政情の安定した国であり、安定した供給が期待できます。我が国ではウラン資源を長期にわたって安定して得られるよう、供給国の多様化を図り、それぞれの民間企業などが独自に調査・探鉱段階から共同開発を行い、自主的な開発による輸入の割合を高める努力も行っています。


火力発電所では、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料を燃やして、その熱エネルギーを利用して発電を行っています。そのため、火力発電では発電の過程において、地球温暖化の大きな要因となる二酸化炭素を排出します。
一方、原子力発電では、ウランを核分裂させて、そこで発生する熱エネルギーを利用して発電を行っているので、その過程において二酸化炭素を排出しません。
また、原子力発電は、発電の過程において、大気汚染、酸性雨の原因となる硫黄酸化物、窒素酸化物も排出しません。

原子力発電で使い終わった燃料には、消費されなかったウランや発電の過程で新しく生まれたプルトニウムなど、まだ使える貴重なエネルギー資源が含まれているため、再処理によってこれらを回収して、再び燃料として利用することが可能です。
この流れを「原子燃料サイクル」といい、ウラン燃料を含めてエネルギー資源の大部分を輸入に依存する我が国においては、原子燃料サイクルの確立に向けた着実に取り組むことが重要です。
ウラン燃料のリサイクル